研究課題/領域番号 |
20K05483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西山 裕介 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, ユニットリーダー (20373342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 3D電子回折 / 固体NMR / 結晶構造 / API / 結晶多形 / microED / 水素結合 / 原子間距離 / 3D ED / NMR crystallography / 微結晶 / 製剤 / 電子回折 / 低分子医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題にて、錠剤や散剤といった製剤に含まれる医薬品有効成分(API: active pharmaceutical ingredient)の微結晶から、直接精密な水素位置を含めた結晶構造を解明する。これにより、未知の結晶形や共結晶を検出・同定する手法を確立する。さらに水素位置から水素結合構造が明らかになり、塩・共結晶が同定される。 構造決定には電子回折(microED)と固体NMRを用いる。APIのみに特異的に含まれる元素を用い電子顕微鏡像でAPIを同定する手法および、その結晶粒からのNMR信号を選択的に観測する手法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、製剤中の低分子医薬品(API: active pharmaceutical ingredient)の結晶構造を一切の前提条件なしに解く手法を開発した。3D電子回折(3D ED, microED)により全体構造を決定し、固体NMRにより精密化する。製剤中のNMRスペクトルを取得する手法を確立した。さらに、水素原子と非水素原子間の精密距離測定法を確立した。これにより、水素原子の位置も含めて精密に構造解析が可能になった。さらに本手法の実材料への応用およびアモルファス試料への展開も進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日常の投薬に必須となる低分子医薬品の品質管理において、製剤から直接結晶構造を決定することは必須の技術である。しかしながら、従来法は粉末X線や13C CPMAS固体NMR法を用いたfinger printing法(事前に得たスペクトルとの比較)であり、直接構造決定はできなかった。本課題により、事前にスペクトルや構造を得ることなく、製剤から直接結晶構造の決定が可能となった。これにより研究開発の現場から品質管理に至るまで幅広い製薬現場で、また製薬以外の物質化学の分野での活用が期待される。
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