研究課題/領域番号 |
20K05485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝洋 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80367052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 天然物合成 / セスキテルペン / Diels-Alder反応 / ビシクロ[2.2.1]ヘプタン / 天然物全合成 |
研究開始時の研究の概要 |
自然界から産出される化合物(天然物)は有用な生物活性を示すものが多く、我々人類は古くからそれらを利用し、医薬品・農薬として我々人類の健康増進に貢献してきた。それらは有機合成化学の力によって工業的にも合成されている。しかし一方で、立体的に複雑な縮環構造(高次構造)を有する化合物は、現代の有機合成化学をもってしても依然困難な課題である。申請者の提案する「一段階多重環構築戦略」は、この課題に対する有効なアプローチであると考えている。そこで、近年シキミ族植物から単離が報告されたillisimonin Aを標的化合物とし、全合成を達成することで実証することにした。
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研究成果の概要 |
立体的に複雑な縮環構造(高次構造)を有する天然有機化合物(天然物)は、有用な生物活性を示すものが多い。近年天然から単離が報告されたイリシモニンAは高次構造を有し、その生物活性とあわせて、多くの科学者の興味を集めている。本研究では、申請者の提案している「一段階多重環構築戦略」に基づくイリシモニンAの効率的な全合成を目的とした。 イリシモニンAの推定生合成経路から、オルトベンゾキノンの分子内Diels-Alder反応と続くベンジル酸転位を鍵反応に設定し、実際にモデル化合物を用いて合成したところ、イリシモニンA骨格を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、天然物であるイリシモニンAの骨格の合成に成功したことから、天然物の生合成経路を理解する上での学術的意義がある。また、天然物から新規な医薬品を開発するためには、天然物の全合成が必要であり、本研究によりイリシモニンAの効率的な合成法が確立されたことで、医薬品開発に対する社会的意義がある。さらに、本研究で提案された一段階多重環構築戦略は、他の天然物の合成にも応用できる可能性があり、有機合成化学の有用な技術基盤となることが期待される。
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