研究課題/領域番号 |
20K05497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 英治 九州大学, 理学研究院, 助教 (70782944)
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研究分担者 |
徳永 信 九州大学, 理学研究院, 教授 (40301767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 不斉合成 / 相間移動触媒 / エステル基 / 加アルコール分解 / 動的速度論分割 / 加水分解 / エステル不斉加水分解 / 第四級アンモニウム塩 / シンコナアルカロイド / アミノ酸エステル / 加アミン分解 / 優先富化現象 / アズラクトン / アルコール分解 / 優先富化 / 四級アンモニウム塩 / ConFinder / 不斉加アルコール分解 / 不斉エステル交換 / エステル官能基変換 / 触媒的不斉合成 / 人工触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、不斉相間移動触媒を用いてエステル類から高立体選択的に光学活性エステル・アミドを得る変換反応の開発を目指す。エステル基は様々な医薬品によくみられる普遍的な官能基である。しかし、この官能基は反応性に乏しいためか、人工触媒を用いる手法では、それ自身を変換する立体選択的反応の開発は未成熟な状態にある。このような状況下、申請者らは、これまでに相間移動触媒を用いたエステル類を基質とした不斉加水分解反応の開発に成功している。本研究では、この研究過程で見出した知見をもとに、エステル基の新たな立体選択的変換反応として、相間移動触媒を用いた不斉エステル交換および不斉加アミド分解反応の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、エステル基の触媒的な立体選択的変換の開発を目指し、相間移動触媒を用いたアミノ酸エステルやアズラクトンの不斉加アルコール分解の開発を検討し、カルボニルα位に嵩高い置換基を有する基質に対し、高立体選択的に反応が進行することを見出した。また、その詳細な反応機構を提案した。さらに、窒素求核剤を用いたアズラクトンの不斉開環反応が立体選択的に進行し、その生成物が優先富化現象を示すことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで困難であったエステル基やそれに類するカルボニル化合物を立体選択的に変換可能な触媒反応として相間移動触媒を用いた不斉加アルコール分解やアズラクトン類の窒素求核剤による不斉開環反応を新たに開発することに成功した。本反応は医薬品や不斉配位子の有用な合成中間体となる光学活性アミノ酸誘導体を効率的に与える有用な反応である。また、配座探索プログラムを組み合わせたDFT計算に基づく反応機構解析を行い、反応における立体制御機構について有用な知見を得ることに成功した。これらの成果は今後、より効率的な触媒系の開発や合成プロセスの開発を行う上で有用な礎となると期待される。
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