研究課題/領域番号 |
20K05501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小林 雄一 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (90153650)
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研究分担者 |
小川 熟人 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (50611109)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アルキルカップリング反応 / プロパルギルカップリング反応 / 銅触媒 / 第二級炭素 / 有機リチウム試薬 / 芳香族Grignard試薬 / 有機金属試薬 |
研究開始時の研究の概要 |
第二級アルキル炭素上で有機金属試薬とのカップリング反応が実現すれば,生理活性分子構築の有用な方法になり,従来の分子設計に於いて重要視されてきた化学者の経験と直感は不要になる。本研究では, (1) 我々が最近開発したGrignard試薬/Cu(OTf)2(触媒)系を有機リチウム系に拡張し,試薬系の幅を広める。(2) 1,3-dimethyl 単位を持つポリメチル化合物の反復合成法を開発し,生理活性ポリメチル化合物を合成する。さらに,これらの知見を参考にして第二級プロパルギルアルコール誘導体とGrignard試薬やリチウム試薬とのの反応を開発する。
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研究実績の概要 |
我々は,第二級アルキル炭素上で有機金属試薬とカップリング反応を行わせるため,水酸基をPyridine-SO3 に変えた基質とRMgX の Cu(OTf)2 触媒反応を見出している (Org Lett., 2019)。この基盤研究C の3年目では,この反応に関わる有機金属試薬の幅を広げるために有機リチウム (RLi) を用いるカップリング反応を検討し,一方で,天然有機化合物の合成への応用研究を行なった。さらに,プロパルギル置換反応について研究展開した。 (1) 有機リチウム (n-BuLi) にMgBr2 を反応せさてトランスメタル化するとCu(OTf)2 触媒存在下,(4-MeO)C6H4(CH2)2CH(OSO2Py)Me (基質) とのカップリング反応が進行した。sec-BuLi でも進行した。ところが,MeLi ではMeアニオンの求核性が弱く Brアニオンの反応と競合した。種々検討した結果,MgCl2 を用いれば良いことがわかった。なお,MgBr2 と MgCl2 はTHF 溶液として調製した。市販のMgBr2 (固体) や MgCl2 (個体) では溶解性が低く,反応が汚くなった。光学活性な基質を用いたところラセミ化せず立体反転した。Ph(CH2)2I (ヨウ化物の一例) と t-BuLi との Li-I 交換により調製したリチウム試薬もMgBr2存在下,カップリング生成物を与えた。この反応を活用し lichen moth の性フェロモン (S)-14-methyloctadecan-2-one の光学活性体の合成を行った。これらの研究成果を専門誌に投稿し,minor revision の審査結果が来たところである。 (2) もう1つのテーマであるプロパルギル炭素上での反応は,昨年度に発表したプロパルギルフォスフェートと芳香族Grignard試薬との銅触媒反応を使い,エストロゲン活性のあるNyasoleを合成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦に対する大学の方針により研究時間が削減され,一方で,資源不足から試薬の入手が難しくなり,遅れが生じた。それでも以下の研究を行ない2本論文投稿した。 (1) 有機リチウム (RLi) を用いるカップリング反応 n-BuLi と MeLi を用いて反応を検討し,自分で調製したMgX2溶液と組み合わせるとスムーズに反応した。この反応を活用し,lichen moth の性フェロモン (S)-14-methyloctadecan-2-one の光学活性体の合成を行った。現在,論文投稿した専門誌の編集部から届いた minor revision の審査結果を直している。 (2) プロパルギルリン酸エステルとのカップリング反応を活用してNyasole 合成を行い専門誌に発表した。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 上述した MgX2 (X = Br, Cl) 溶液を見つける過程で 3週間ほど経過したt-BuMgCl 溶液を使うと,MgX2 (X = Br, Cl) 溶液と同等に使えることがわかった。3週間経って生成する有効な化合物を特定する。 (2) 適応可能な有機金属として芳香族Grignard試薬とのカップリング反応を検討する。アルキル金属よりも反応性が低いと考えられるため,反応条件の探索が必要であると考えている。 (3) 1,3-dimethyl 体の合成を目指す。 (4) ArMgBrとCuCN 触媒を用いたプロパルギル炭素上での置換反応の延長として ArLi との反応を検討し,収率,位置選択性, 立体選択性の高い反応条件を見いだす。
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