研究課題/領域番号 |
20K05503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
森 裕二 名城大学, 薬学部, 教授 (40121511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ギムノシン-B / ポリ環状エーテル / オキシラニルアニオン / 赤潮 / 渦鞭毛藻 / 細胞毒性 / 合成 / 細胞毒 / ポリエーテル / 全合成 / 赤潮毒 / ギムノシンーB |
研究開始時の研究の概要 |
赤潮渦鞭毛藻が生産するポリ環状エーテル海洋天然物には、神経毒性、細胞毒性、抗真菌活性など強力な生物活性を示すものが多く、創薬シーズや生体機能解明ツール分子としての活用が期待されている。しかし、天然からは極微量しか得られず創薬研究に繋げるためには合成研究が不可欠である。本研究ではマウス白血病細胞に対して毒性を示す赤潮毒ギムノシン-Bの合成化学的研究を行う。オキシラニルアニオン法を用いる独自に開発した[X+2+Y]型収束的ポリ環状エーテル合成法を基盤とする合成技術を用いて、ギムノシン-Bおよび類縁体の合成研究を行い、ポリ環状エーテル海洋毒の機能解明に役立てる。
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研究成果の概要 |
赤潮渦鞭毛藻Karenia mikimotoiから単離されたギムノシン-Bは、5ー7員環エーテルが15個梯子状に縮環したABCDEFGHIJKLMNO環構造からなる分子量1156の巨大ポリ環状エーテルで、マウス白血病細胞P388に対して細胞毒性を示し、海産創薬シーズ分子として期待される天然物である。本研究では、オキシラニルアニオン法を基盤とする[X+2+Y]収束合成法を用いてギムノシン-Bの全合成研究を実施した。ギムノシン-Bを4つのフラグメントから合成する計画に基づいてABC環、FG環、JK環、NO環の各フラグメントの合成を達成した。今後はこれらのフラグメントを連結縮環して全合成を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋生物由来の天然物には、特異な構造と強力な生物活性を持ち医薬品や研究試薬に繋がる有用物質が多くある。赤潮生物渦鞭毛藻が生産するポリ環状エーテル海洋毒ギムノシン-Bは、マウス白血病細胞P388に対して細胞毒性を示すため海産創薬シーズ分子として期待される。しかし、天然からは極微量しか得られないため標的タンパク質や作用機序は未解明であり、合成標品の供給が望まれている。本研究ではギムノシン-Bの全合成研究を行い合成標品を用いた生物活性発現の分子機構解明や標的生体分子の機能制御など生命現象の解明を行い、さらに赤潮毒の迅速分析法の確立に役立てることにより、海産食中毒の予防に貢献できることが期待される。
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