研究課題/領域番号 |
20K05509
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
添田 貴宏 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (10506819)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 光学活性ボリン酸 / 含窒素複素環カルベン / 触媒的不斉ボリル化 / アミノボロン酸 / イソシアニド / 光学活性ボリン酸触媒 / アミノホウ酸 / ボリン酸触媒 / 触媒的不斉反応 / ホウ素化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「触媒や医薬品を指向した光学活性有機ホウ素化合物の革新的合成」を目的とし,「触媒的不斉反応によるキラルなホウ素化合物の合成およびキラルなホウ素触媒の開発」を目指す。まず,我々が独自に開発したキラルな多点認識型N-ヘテロサイクリックカルベン(NHC)-銅錯体によるイミンへの触媒的不斉ホウ素化反応により,光学活性なアミノボラン誘導体の高効率的合成を行う 。また,安価なアミノ酸を原料とし,NHC触媒―フォトレドックス触媒の協同作用による直接的アミノホウ酸誘導体の合成にも着手する。さらに,キラルなボリン酸誘導体を開発し,エナンチオ選択的反応へ展開する。
|
研究成果の概要 |
ピリジン環有する多点認識型NHC配位子と銅塩によるイミンの不斉ホウ素化反応について検討した。申請者はこれまでにピリジン環有する多点認識型NHCを開発し,様々な不斉反応に展開してきた。しかし,多点認識型NHC前駆体となるピリジン環有するトリアゾリウム塩は触媒としての利用のみであった。そこで,ピリジン環有するトリアゾリウム塩の不斉配位子への展開を検討し,実際に,イミンへの不斉ホウ素化反応における不斉配位子として用いることで,生成物のα-アミノホウ酸誘導体を最高60% eeで得ることに成功した。また,本反応においてピリジン環が生成物の立体選択性の向上に関与していることも示すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NHCを有機触媒として用いた分子変換反応では,極性転換反応に非常に有効であり,21世紀型の環境に優しい有機合成反応開発へ広く展開可能となることから,本研究は非常に意義深いものである。本研究の学術的な独自性は,申請者が開発したキラルな多点認識型NHC触媒を活用した,ホウ素を含有する医薬品や機能性触媒などを指向した触媒的不斉反応の開発である。触媒的不斉反応へ展開して高立体選択的に光学活性体が得られれば,生物活性が見込める各種化合物の新規合成法を開拓でき,その結果合成される一連の物質はそれぞれが医薬品の新規で効率的な合成法になる。
|