研究課題/領域番号 |
20K05514
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
入江 亮 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (70243889)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 不斉合成 / 塩基触媒 / アルキン / ヒドロアリール化 / 環化芳香化 / ヘテロヘリセン / 軸不斉化合物 / 螺旋不斉化合物 / ヘリセン / 螺旋不斉 / キラル塩基触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンゼンなどの芳香環を多数つなげることで,螺旋の形をした分子がつくられる.このような分子は「ヘリセン」と称され,互いに鏡像の関係にある右巻き/左巻きの立体異性体として存在する.一方の鏡像異性体から構成される物質は特殊な性質を示すことから,機能性材料としての応用が期待されている.本研究では,ヘリセン類の高効率的かつ立体選択的な合成を可能にする新しい触媒的不斉反応の開発を行うとともに,機能性材料としての応用研究を推進する.
|
研究成果の概要 |
光学活性なπ共役系分子には特異なキラル物性の発現が期待されることから,その効率的な合成法の開発とキラル分子材料としての応用は重要な研究課題である.本研究では,最近我々が開発に成功したアルキンの触媒的不斉分子内ヒドロアリール化を鍵反応として,螺旋不斉と軸不斉を合わせもつ新規キラルπ共役系ヘテロヘリセン類の不斉合成に成功した.また,単結晶X線構造解析によりヘテロヘリセンの分子構造と相対立体配置を決定するとともに,それらに基づいて不斉ヒドロアリール化の反応機構ならびに立体化学経路を推定した.さらに,得られたヘテロヘリセンが優れたキラル機能性分子であることを明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
捻れたπ共役系をもつヘリセンは,歪みエネルギーを内在している.分子歪みの小さい前駆体(基質)を歪みの大きなヘリセンに変換し,かつ,その過程で誘起される螺旋キラリティの立体化学制御を如何に達成するか?この学術的な「問い」は,不斉炭素原子を有するキラル化合物の不斉合成法が格段に進歩した今日においても極めて挑戦的である.また,ヘリセン類は特異なキラル物性を示すことから,そのキラル分子材料としての応用が期待される.本研究では,最近我々が開発に成功したアルキンの触媒的不斉分子内ヒドロアリール化を鍵反応として,新規キラルヘテロヘリセン類の不斉合成に成功するとともに,優れたキラル物性について明らかにした.
|