研究課題/領域番号 |
20K05519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
上野 聡 東京工科大学, 工学部, 講師 (50514139)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 求核的ベンゼン / 置換ベンゼン / パラジウム / アリル化 / アリルベンゼン / 脱芳香族化 / カルボアニオン / パラジウム触媒 / トリメチルホスフィン / パラ位 / 位置選択的 / 炭素-水素結合官能基化 / 炭素ー水素結合官能基化 / 求核置換反応 / ベンジル化 / アリール化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ベンゼンを求核置換反応の求核剤として用いるための研究を行う。これまでに芳香族求電子置換反応が知られている。しかし、この反応では求電子剤として極度に電子不足な化学種が用いられてきたため官能基許容性は低い。またベンゼン環上の置換基として配向性が決定しているためいつでも望みの位置選択的に反応を起こすことはできない。今回、ベンゼン環に仕掛けをすることで、そのパラ位で位置選択的に求核置換反応が進行する反応を開発する。一般の求核置換反応で用いられる求核剤として、アルコキシドやアミン、マロネートに加えてベンゼン環を利用できる反応系の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
置換酢酸アリルを用いた1-(シアノメチル)アレーンのパラジウム触媒によるアリル化がパラ位で位置選択的に進行することを見出した。この反応は、シアノ基により安定化されたα-カルボアニオンによって電子豊富になったアレーンのパラ位炭素の(π-アリル)パラジウム種への攻撃、そこで生じた脱芳香族中間体からのパラ位水素の1,5-水素移動を経て進行すると考えている。この研究は、置換アリル求電子試薬を用いたパラ選択的アルキルアレーンC-Hアリル化の最初の分子間反応の例である。この反応は、パラジウムに対するトリメチルホスフィン配位子の比率を適切に精密に選択することが重要であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身の回りの有機化合物にはベンゼン環の骨格を含むものが多数存在する。それらの化合物をより簡単に合成することができれば、より豊かな近代的生活を手に入れることができる。今回、そのベンゼン環をより簡単に合成する手法を開発した。特に、これまでは高温で高反応性の試薬を用いていたため、反応の制御が困難であり、危険性もあった。今回開発した手法は、ベンジル位に仕掛けをすることで、温和な反応条件でベンゼン環に官能基を導入することができた。さらに、温和な反応条件で進行したことから、基質適用範囲も広く、これまでに合成が困難な有機化合物を合成することができるようになった。
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