研究課題/領域番号 |
20K05520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森本 功治 立命館大学, 薬学部, 講師 (10543952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超原子価ヨウ素 / グリコシル化 / アミノ化 / 窒素 / ヘテロ原子 / 結合形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では1.へテロ原子を有する芳香族化合物のカップリング反応によるオリゴマー合成法の開発および炭素-ヘテロ原子結合形成反応並びに2.硫黄原子活性化を基軸とする結合形成反応の開発を目的とする。超原子価ヨウ素反応剤のヘテロ原子の活性化をコントロールすることでカップリング反応を用いた結合形成反応が行えると考える。また硫黄原子を活性化することで位置選択的な結合形成反応の開発が可能となり、これを更に天然物合成へと展開する。
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研究実績の概要 |
フェノール骨格は多くの生物活性天然物に含まれる部分構造であるため、新規結合形成反応の確立は創薬分野の発展に重要である。現在汎用とされている結合形成反応では、その反応工程の数の多さや煩雑さの点で課題があった。酸化的な合成手法においても、基質の制限や収率などの課題が多く存在する現状がある。一方、超原子価ヨウ素反応剤は毒性の高い重金属酸化剤と類似の反応性を示し、取り扱いが容易なことから、有機合成において現在広く用いられている。これまで3価の超原子価ヨウ素反応剤を用いるフェノール類の酸化反応が首尾良く進行することを明らかにし、これらの反応を生物活性天然物の全合成に応用している。今回3価の超原子価ヨウ素反応剤によるヘテロ原子の活性化を基軸としたクロスカップリング反応による新規結合形成法を検討した。その結果、超原子価ヨウ素反応剤を用いた、フェノール類およびアニリン類とフェノチアジン類の金属触媒を用いないC-Nクロスカップリングに成功した。 またグリコシル化化合物は糖鎖や糖タンパクなどの糖含有化合物にみられるように、ヒトの生理学において最も重要な化合物の一つとなっている。化学的なグリコシル化反応において、チオグリコシドはその安定性と反応の化学選択性から広く用いられている。そのため効率的なグリコシル化反応の開発は、有機合成において重要である。今回超原子価ヨウ素反応剤を用いた硫黄原子の活性化としてチオグリコシドを出発物質としたアシル化反応、アシル化体を中間体としたオリゴ糖合成の合成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超原子価ヨウ素反応剤を用いた新規反応の検討において芳香族のアミノ化、グリコシル化反応において有意義な結果を見いだすことができた。現在さらなる進展を目指し検討しており、有意義な結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
超原子価ヨウ素反応剤を用いたアミノ化に関しては幅広いアミノ化反応への展開を目指し、その他のアミンとの反応を行っている。またグリコシル化反応においては、現在はその立体選択性の検討並びにC-グリコシル化への展開を行っている。
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