研究課題/領域番号 |
20K05522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
伊藤 貴敏 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究部長 (60416295)
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研究分担者 |
岩井 利之 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主幹研究員 (20416291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | フラーレン / メタノフラーレン / 選択的合成 / 硫黄イリド / 有機薄膜太陽電池 |
研究開始時の研究の概要 |
フラーレン誘導体は有機薄膜太陽電池のn型半導体材料、およびペロブスカイト太陽電池の電子輸送材料として標準的に活用されている。しかしながら、製造法は限られており、かつ、収率も高くない。再生可能エネルギーの普及拡大に貢献するため、本研究課題ではフラーレン誘導体製造法に関して高度な反応制御を可能とする高選択的合成技術を開発をする。
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研究実績の概要 |
一置換フラーレン誘導体のPCBMは、有機薄膜太陽電池のn型半導体材料、および、ペロブスカイト太陽電池の電子輸送材料の鍵となる化合物であり、実用的製法の確立が切望されている。申請者らは、これまでにフラーレン誘導体の合成法について独自にスルホニウム塩の脱離基となる硫黄原子(S)上の置換基を調整することにより、フラーレンC70に対する選択的付加反応を開発した。これらの知見を利用して、フラーレンC60においてもスルホニウム塩の置換基が選択性に及ぼす影響について明らかとすることを目的として検討を行った。各種スルフィドは、対応する有機ハロゲン化物と硫黄源を作用させて合成を行い、これまでにアルキル鎖長の異なるスルホニウム塩を合成した。今年度は、嵩高さを考慮して分岐鎖を有する2-エチルヘキシル基、および、3, 5, 5-トリメチルヘキシル基が置換したスルホニウム塩を調製してフラーレンとの反応を検討した。0℃での反応条件下において目的とするフラーレン誘導体が良好な収率で得られた。また、モノ付加体とビス付加体の生成比率も高いものであったが置換基による顕著な効果は観測されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
付加前駆体となるスルホニウム塩において分子内に鎖長の異なるスルフィドを有する化合物を合成において、各種脂肪族ハライドからスルフィド類を合成した。分岐鎖を含むスルホニウム塩の合成については、立体的な影響により収率が低下することが懸念されたが従来通りの方法による銀塩の存在下、スルフィドと臭化4-フェニル吉草酸メチルを作用することで良好な収率で純度良く調製できた。得られたスルホニウム塩を利用してフラーレンとの反応を行うことができたが、スルホニウム塩の硫黄上のアルキル鎖長と得られたフラーレン誘導体の選択性への著しい効果を得るに至っておらず、進捗状況はややおくれていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
付加前駆体である各種スルホニウム塩を利用したフラーレンとの反応において、反応温度・時間・溶媒・添加剤等の詳細な検討を行い、フラーレン誘導体の選択性の向上に与える条件検討を進めていく。また、脱離基となる硫黄上の置換基についても併せて検討する。
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