研究課題/領域番号 |
20K05534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
島 隆則 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (60391976)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 窒素分子活性化 / クロムヒドリド錯体 / チタンヒドリド錯体 / イミド錯体 / アルキルアミン / 水素化 / ヒドリド錯体 / 含窒素有機化合物 / ビベンジル / ヒドロベンズアミド / 窒素分子活性 / アンモニア合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、本応募者が進めてきた多金属ヒドリド錯体の化学を展開し、新しいクロムヒドリド錯体の合成と窒素分子活性化、水素化によるアンモニア合成、さらには付加価値の高い含窒素有機化合物への変換反応の開発を目指す。具体的には、ユニークな構造をした多核クロムヒドリド錯体の構築や反応場の立体的・電子的制御、窒素分子の活性化、その反応機構解明、水素化によるアンモニア合成とクロムヒドリド種の再生、さらに活性化された窒素種と有機基質との反応を通した新規物質変換反応の開拓など、錯体の設計・合成から、新反応プロセス開発まで一括して統合的に研究を進める。
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研究成果の概要 |
本研究では、C5Me4SiMe3基を配位子とする多核クロムヒドリド錯体の合成と、窒素分子の活性化、および含窒素有機物の合成研究を中心に取り組んだ。三核クロムヒドリド錯体とN2の反応で得られた三核ジイミド錯体は水素と反応し、アミド種(-NH2)、アンモニアの発生を経て三核モノイミドヒドリド錯体および五核クロムイミドヒドリド錯体へと変換された。また、クロムヒドリド錯体と様々な不飽和炭化水素との反応を検討し、アルキンのカップリング反応を見いだしたが、N2との反応は見られなかった。一方、以前報告した三核チタンヒドリド錯体を用いて、アルケンと窒素分子の反応からアルキルアミンが得られることを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、窒素分子のような不活性小分子の活性化、および含窒素有機化合物などへの官能基化に際して、多核ヒドリド錯体が良好な反応場として利用できることを示している。従来、4族、5族の遷移金属ヒドリド錯体を用いた窒素分子活性化反応に限られていたのに対し、6族遷移金属クロムヒドリド錯体も有用であることを見いだしたことは大きな成果である。引き続き多核ヒドリド錯体の研究を進めることで、省エネ・省資源で進行する新しい物質変換反応プロセスの開発が期待できる。
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