研究課題/領域番号 |
20K05539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
三宅 亮介 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (30509542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 柔軟な巨大空間形成 / ペプチド金属錯体 / 構造の作り分け / ペプチド環状錯体 / 巨大空間 / 柔軟なトリペプチド / ホストーゲスト / 構造形成過程 / 人工タンパク質 / 巨大構造形成制御 / 柔軟な骨格 / トリペプチド / ペプチド巨大環状錯体 / 柔軟な巨大空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、独自に開発した巨大空間を持つ柔軟なトリペプチド環状錯体をベースに各種巨大空間の構築を行うとともに、これら柔軟な巨大空間が示す新奇特性を見出すことで、独自の空間特性・機能を明らかにする。また、数nmサイズの大きさの柔軟な分子集合体に適した観測・解析手法が十分に確立していないため、本研究期間に合わせて検討する。確立した手法により、トリペプチド環状錯体が持つ柔軟な空間特性の発現原理およびにデザイン指針に関する知見を得ることで、「人工タンパク質」ともいうべき“新”機能材料へと展開するための礎を築く。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、従来困難であった柔軟な骨格から巨大な空間を持つ金属錯体を作り出す手法を確立し、さらに柔軟な骨格だからこそ発現する新奇特性の探索・開拓することを目指している。生体システムでは、柔軟な骨格が作り出す複数の巨大空間・構造を使いこなすことで精密な機能を実現している。したがって、本研究で、生体と同様に、柔軟な小分子から巨大構造を組み上げる手法を確立できれば、生体に匹敵、もしくは凌駕する高機能・省エネルギー材料の創出へとつながると期待できる。 本研究は、本研究課題に先立って独自に開拓した巨大空間を持つトリペプチド環状金属錯体をベースに研究を進めている。2022年度は、昨年度までに確立した環状金属錯体の形成過程の観測手法により、さらに詳細な形成過程の解明に取り組み、構造に影響する溶媒や温度などの条件がどのように構造決定に影響しているのかを明らかにした。特に、柔軟な骨格から巨大構造を作り出すプロセスは観測できる対象がそもそも少なく興味深い。詳細な観測から、速度論支配的な挙動が多いなど、生体システムとの類似点なども見出すことができた。さらに、形成プロセスの理解に基づき、従来作り分けが難しく、結晶形状による選り分け作業が必要だった環サイズの近い巨大環状錯体の作り分けも達成した。 さらに、トリペプチド環状金属錯体が持つ巨大空間の機能面での新奇特性を明らかにするために、その分子包接特性などについても引き続き検討を行った。 また、本研究課題では、2020年度にトリペプチドから環状の異種金属イオン相互作用を持つ金属錯体も合成できることを見出し、環状配列内の金属中心が、将来的に巨大空間と組み合わせ可能な機能中心として展開しうると考え、合わせて研究を進めている。こちらの金属錯体では、金属中心へのキラリティ導入に成功し、その設計指針の獲得にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新奇機能開拓や論文執筆が当初の予定に比べて遅れているが、これは形成過程の詳細な観測する中で、当初予期していなかった形成挙動が明らかになり、その解明に注力したためである。研究実績の概要で述べたように、柔軟な骨格は、生体システムの協同性や効率性の要因であるが、人工的な巨大システムでの利用はほとんどできていない。今回、本研究で得た知見をもとに、柔軟な骨格から巨大構造を作り分けることも達成し、巨大環状錯体の自在合成に向けて、相当進捗した。本研究で得た知見は、人工的なシステムで柔軟な骨格を利用する上でブレークスルーとなりうる重要なものであることから、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、主に、これまでに得た成果の論文発表を行う。また、ペプチド環状金属錯体の巨大空間の新奇機能探索をさらに進めるため、分子包接特性などの評価を引き続き行う。さらに、機能が期待できる金属錯体などとの複合化の検討も行い、今後の機能展開に向け、さらなる基礎的知見の獲得を目指す。
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