研究課題/領域番号 |
20K05542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
馬越 啓介 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20213481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 混合金属錯体 / 白金錯体 / 非対称錯体 / 光学活性 / 光学分割 / 光物性 / アセチリド / Chiral-at-metal / 円偏光発光 |
研究開始時の研究の概要 |
光学活性な配位子を用いることなく,金属中心周りの配位子のキレートの仕方により不斉を発現させている金属錯体は,"Chiral-at-metal complex"と呼ばれている。本研究では,"Chiral-at-metal complex"の概念を単核白金錯体だけでなく,二核白金錯体,混合金属錯体など, 立体制御による特定のエナンチオマーの選択的合成が困難と考えられていた多核金属錯体へと拡張することにより,強い円偏光発光を示す発光材料を開発する。
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研究成果の概要 |
フェニル基を有するアキラルなN-ヘテロ環状カルベン(Ph-NHC)を持つ白金錯体にAg(I)イオンを作用させると,キラルな多核金属錯体(Pt2Ag3錯体)が生成した。これにキラルなアニオンを加えジアステレオマーを形成させることで光学分割を達成した。4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジン (Bu2bpy) と異なる2種類のアセチリドからなる非対称な分子構造の単核白金(II)錯体とCu(I)イオンとの反応から,キラルなPt4Cu3錯体が生成することも見出した。キラルな配位子を用いることなく,多核錯体の形成により発現する光学異性を"chiral-at-cluster"と名付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
3次元光学ディスプレイや円偏光発光(CPL)レーザー,キラル識別などへの応用の可能性から,光学活性な金属錯体の光物性に興味が持たれている。光学活性な金属錯体は,光学活性な配位子を用いて錯形成する方法と,金属原子の立体配置を利用する方法の2通りの方法で構築することができる。光学活性な配位子を用いることなく,金属中心周りの配位子のキレートの仕方により発現する不斉は"Chiral-at-metal"と呼ばれ,単核錯体でのみ知られていた。本研究により,多核錯体にも光学活性な配位子を用いずに不斉を誘起できることが分かったので,円偏光発光材料の分子設計に新たな指針を与えることができた。
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