研究課題/領域番号 |
20K05543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中島 洋 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00283151)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | フェリチン / プルシアンブルー / 過酸化水素還元電極 / バイオセンサー / プリシアンブルー / 包摂化合物 / 近赤外光応答 / 振動励起エネルギー / ニトロプルシド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、水媒体である生体内において、近赤外光吸収による発熱が組織に拡散することを抑制し、輸送担体と薬剤分子の結合部位へ効率的に蓄積される仕組みづくりである。そのための戦略として、ここでは、水分子の進入が制限されるタンパク質の内部空腔に着目し、 1) フェリチンと呼ばれる中空球状タンパク質の空腔にプルシアンブルーと呼ばれる近赤外光を吸収する高分子錯体を包摂 2)包摂体内のプルシアンブルー表面に薬剤分子を結合 3) 包摂体への近赤外光照射によるプリシアンブルーの発熱、薬剤分子の熱的解離・放出、の実現を研究助成間で目指す。
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研究成果の概要 |
この研究では、鉄イオン貯蔵タンパク質フェリチンの内部空間にシアノ架橋三次元鉄錯体プルシアンブルーをシップインボトル合成する手法の開発に成功した。既知法で調製したプルシアンブルーは、中性より高いpH溶液中で容易に分解し、水溶液中における利用の制限となっていた。フェリチンに包摂することで分解速度が1/100~1/1000倍程度に低下し、プルシアンブルーのアルカリ溶液への耐性を大幅に改善した。改善したアルカリ耐性をもとに、プルシアンブルー包摂体を触媒とする過酸化水素還元反応の開発、包摂体の電極表面への固定方法の開発を実施し、様々な酸化酵素をバイオセンサーへ応用するための電極材料の創出に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プルシアンブルーは、着色剤、触媒、セシウムイオンの除去剤など現在も様々な分野で用いられる材料であるが、中性以上のアルカリ性溶液中で容易に分解することが課題であった。本研究は、タンパク質にプルシアンブルーを包摂することでこの問題を解決し、今後のプルシアンブルーの応用領域拡大に貢献できると考える。また、包摂体においてプルシアンブルーがアルカリ耐性を示す機構の解明を通して、プルシアンブルーの分解に関する理解の深化、分解を抑制する分子機構の提案をおこなうことができた。
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