研究課題/領域番号 |
20K05544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
坪村 太郎 成蹊大学, 理工学部, 教授 (70188621)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 円偏光発光 / 金属錯体 / 銅錯体 / パラジウム錯体 / 白金錯体 / キラリティ / 円偏光二色性 / 円偏光分光計 / 光化学 / 分光器 / 発光性錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
d10電子配置を有する金属種にキラルなジホスフィンまたはジイミン配位子等が結合した金属錯体を合成し、その円偏光発光(CPL)の測定を行い、CPLの生じるメカニズムを探る。また各種のねじれ構造を持った錯体について、単分子系のみならずエキサイプレックス系も含めて、円二色性(CD)の結果と、CPLの結果を比較することで、励起状態の構造変化について考察を行う。得られた結果と量子化学計算の結果をあわせて従来得られなかった励起状態に関する情報を得る。 また一方、研究室独自設計の円偏光発光分光計の改良を行い、さらなる高感度化を図ると共に、同じ装置で円二色性を測定する試みもあわせて行う。
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研究成果の概要 |
本研究においては銅錯体を中心に各種の発光性キラル遷移金属錯体の合成を行い、その円偏光発光特性を明らかにした。近年化合物の円偏光発光の研究例は非常な勢いで増加しているが、特に遷移金属錯体についてはどのようにすると円偏光発光性が増すのかの指針はない状態である。本研究では銅錯体については配位子のねじれの観点から円偏光性と構造の相関を示すことができた。また、D2対称のキラルパラジウム錯体を合成し、比較的強い円偏光性を示すことを明らかにした。また白金錯体においてはエキシマ生成によって円偏光性が著しく増すことを明らかにし、励起状態のキラル構造を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光発光は、近年報告が非常な勢いで増加している。特に有機物においては以前では考えられなかったほどの大きな円偏光性を示す化合物の報告が次々となされているが、遷移金属錯体ではまだ報告例は少ない。また、円偏光発光によって、励起状態の構造の情報が得られることはきわめて重要な学術的な意義を持つと私は考えるが、そのような観点での報告は有機物も含めて少ないことが現状である。そのような中で、本研究によって遷移金属錯体の円偏光がどのような場合に強くなるのかを示しすことができた。また、励起状態でエキシマーを作ることでキラリティが増加することが示された。錯体でこのようなことが示された意義も大きいと考える。
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