研究課題/領域番号 |
20K05549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伏谷 瑞穂 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50446259)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 非線形光学応答 / 電子イオンコインシデンス / 極紫外・X線自由電子レーザー / 内殻二重空孔 / 局所化学分析 / X線自由電子レーザー / 化学分析 / 高強度XFEL / 光電子計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,内殻二重空孔状態に基づく新たな分子内サイト選択的化学分析法の基盤技術の開発を目的とする。まずは,現有の電子分析装置に新たにイオン捕集機構を統合し,電子だけでなく解離イオンをも高精度で捉える電子・イオンコインシデンス計測の導入を行う。続いて,検出効率の改善による真のコインシデンス事象の向上および偽事象の原因となる残留ガスの抑制に取り組む。本手法により,内殻電子が関与する非線形光学現象の基礎過程を明らかにするとともに,内殻二重空孔状態を利用することで分子内における特定の原子サイトを選択的に分析できることを実証する。
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研究成果の概要 |
内殻二重空孔状態を利用した新たな分子内サイト選択的化学分析法の基盤技術の開発および確立を目指し,イオン捕集機構をもつ磁気ボトル型光電子分光器装置を用いた電子・イオンコインシデンス計測システムの開発を行った.真のコインシデンス事象の割合を高めるため,電子およびイオンの検出効率の向上を図った.開発した装置を様々な原子分子に応用し,極紫外光の2光子吸収によって生成した内殻二重空孔状態に関する情報を,電子・イオンコインシデンスマップに基づいて明らかにすることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,非線形イオン化で生じた多数の電子に加えてイオンも同時に検出するという,これまでにない新規なアプローチを実現することで,内殻二重正孔状態の関与する原子分子の非線形光学応答の基本的現象を明らかにした.本手法では分子を構成する各原子に深く束縛されている内殻電子状態をプローブするため,分子全体に大きく広がった分子軌道を形成する価電子帯の電子を観測することでは得られない元素選択的かつ局所的な情報が得られると期待される.
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