研究課題/領域番号 |
20K05554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大堺 利行 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (30183023)
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研究分担者 |
枝 和男 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00193996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 油水界面 / 界面活性剤 / 吸着 / 電気二重層 / 非ボルン型溶媒和モデル / 臨界ミセル濃度 / 非ボルン型理論 / イオン性界面活性剤 |
研究開始時の研究の概要 |
親水性の部分と疎水性の部分を併せ持つ界面活性剤が油水界面に吸着し,界面張力の低下やコロイド化を起こすことはよく知られている。しかし,この界面吸着反応を計算機を用いて理論的に予測することは難しい。しかし,先の我々の研究では,アルキルアルコールのような中性分子の油水界面での吸着反応を「非ボルン型理論」という新しい理論を用いて,うまく予測できることが明らかになった。本研究では,これをイオン性の界面活性剤に拡張したプログラムを開発し,界面の電位差の影響について考察する。
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研究成果の概要 |
先行研究(平成29ー31年度,基盤研究(C))において,非ボルン型の溶媒和モデルを用いて中性の界面活性剤の油水界面における吸着平衡を理論的にシミュレーションできることを示した。本研究では,吸着種の対象をイオン性の界面活性剤に広げた。油水界面の両側に空間電荷層を有する電気二重層モデルを仮定したところ,カチオン性界面活性剤(ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)の油水界面吸着を正確に予測することができた。また,アニオン性や両性の界面活性剤にも本手法を拡張できることが示唆され,さらには界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)の予測へも応用できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
界面活性剤が油水界面に吸着することはよく知られているが,その理由については十分理論的に解明されておらず,定性的な理解にとどまっていた。先行研究において,研究代表者らはコンピューターシミュレーションによって,中性の界面活性剤の油水界面での吸着状態(吸着エネルギーや分子配向)を比較的簡単な計算によって正確に予測できることを示した。本研究では,計算の対象を電荷を持ったイオン性の界面活性剤にも拡張できることを明らかにし,これらの成果は,界面活性剤の重要な指標の一つである臨界ミセル濃度(CMC)の予測を可能にするなど,コロイド科学の分野の基礎的進展を期待できるものである。
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