研究課題/領域番号 |
20K05556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
石垣 美歌 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (60610871)
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研究分担者 |
西山 成 香川大学, 医学部, 教授 (10325334)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ラマン分光法 / iPS細胞 / 分化誘導過程 / エリスロポエチン産生細胞 / 分化誘導 / ラマンイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ラマン分光法を用いたiPS細胞、及び分化誘導細胞の非破壊、非侵襲、ラベルフリー評価法の確立を目的とする。iPS細胞の細胞周期におけるタンパク質、脂質、核酸などの濃度変化やタンパク質2次構造変化等をモニタリングし、iPS細胞の増殖機構に特徴的な分子組成変化の同定を行う。またiPS細胞からエリスロポエチン(EPO)産生細胞への分化誘導過程における分子組成変化から、分化種と未分化種の判別モデルを作成して、分化誘導細胞の安全性評価指標の導出を行う。さらに、培養液中EPO濃度と、分化誘導細胞から取得したラマンスペクトルとの相関関係から、分化誘導細胞の成熟度判別手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,iPS細胞がエリスロポエチン産生細胞へ分化する過程の4段階(I, II, III, IV)に対してラマン分光法により分析し,細胞分化に伴う分子組成変化を同定した。細胞の分化に伴い,分化誘導因子として培養液中に添加したジメチルスルホキシド(DMSO)が細胞に取り込まれる様子が確認された。また,不飽和脂肪酸の濃度も細胞の分化とともに上昇する結果が得られ,分化段階に応じて脂質代謝が変化する様子が確認された。そして,ステージIIの細胞では,糖タンパク質の濃度が一時的に高くなる結果も示された。 本手法は,iPS細胞の安定的,安全性を担保した細胞培養モニタリング技術への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞を用いた新しい薬の開発や,再生医療応用への関心は非常に高く,夢の再生医療技術として期待される一方,iPS細胞の安全性の担保や,安定した細胞培養技術の確立など,未だ解決すべき多くの課題がある。本研究は,ラマン分光法を用いたiPS細胞,及び分化誘導細胞の非破壊,非侵襲,ラベルフリー評価法の確立を目的として実施した。iPS細胞がエリスロポエチン産生細胞へ分化する過程において,脂質、糖タンパクの代謝変化を捉えた本結果は世界初の結果であり,学術的意義が非常に高いと言える。また,本手法はiPS細胞の安定的,安全性を担保した細胞培養モニタリング技術への応用が期待され,社会的意義が高いと考えられる。
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