研究課題/領域番号 |
20K05561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柴田 孝之 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (10448491)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | NADP+ / 蛍光 / アドレナリン / ペプチド蛍光反応 / カテコール酸化反応 / 蛍光誘導体化反応 / 生体試料 / Zimmerman反応 / ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド / カテコール / 臨床検査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)の直接測定法の開発研究を行う。NADP+は生体内の様々な酸化還元反応に関与する電子伝達体であり、酸化型(NADP+)と還元型(NADPH)の量は細胞の代謝活性を評価するための重要な情報である。しかし、NADP+の測定は、NADPHに変換して間接的に測定する方法が主流であり、簡便性や正確性において問題がある。本研究では、研究代表者が独自に開発した蛍光誘導体化反応を応用し、NADP+を直接定量する技術を開発する。本研究成果により、生体内反応のより詳細な解析が可能になり、生命活動の理解や疾病の診断に役立つと期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、NADP+の直接定量法の開発を目的として、NADP+によるアドレナリン酸化反応を介した蛍光性生成物の蛍光定量法の開発を試みた。その結果、本反応はpH 8.0のホウ酸緩衝液中で速やかに進行すること、カテコール4位側鎖のベンジル位のヒドロキシ基が必須であること、このヒドロキシ基の脱離を促進させることが速やかな蛍光体の生成に繋がること、等を見出した。これら最適化した条件を用いることで、高感度にNADP+を検出可能であることが分かった。本反応はNADPHでは反応しないことから、十分な特異性を有していることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内酸化還元反応は、細胞の生命活動を司る重要な代謝反応である。中でもNADPHとNADP+の相互変換は多くの反応において補酵素を担っていることから、生体試料に含まれるNADPHとNADP+の分析は生命科学研究や疾病診断において必須の技術である。NADPH検出系は、特徴的な340 nmの最大吸収波長を利用した吸光度法が協力であり、臨床検査にも応用されている。一方、NADP+検出系は、分離技術を使用しない特異的測定法の開発例がない。本研究成果は、高速液体クロマトグラフィー等の分離技術を必要とせず、簡便な吸光度法でNADP+を直接定量できる技術を提供することから、社会的意義が大きいものと考える。
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