研究課題/領域番号 |
20K05567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
高島 弘 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80335471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 光誘起電子移動 / キモトリプシン / 酵素 / 阻害剤 / ルテニウム錯体 / 発光性化合物 / 光増感 / 光電子移動反応 / 蛋白質ラジカル / 発光性分子 / 光増感反応 / 光増感作用 / 光増感剤 / 電子移動反応 / チロシンラジカル / ルテニウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、化学的手法により光をエネルギー源とする蛋白質内光誘起電子移動反応系を人工的に構築し、チロシンラジカルのような化学反応中間体を位置選択的かつ安定に生成させる。その化学反応性を系統的に調査し、新規な光触媒反応系への応用を目指す。そこで、光増感としてトリス(2, 2’-ビピリジン)ルテニウム錯体とその類縁錯体を基体とした新しい酵素-光増感金属錯体複合体の分子設計・構築を行い、その多段階的な光誘起電子移動反応におけるチロシンラジカルの安定な生成を研究当初の目的として試みる。続いて、蛋白質チロシンラジカルのラベル化反応など、光触媒活性の検討へと研究を展開する。
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研究成果の概要 |
蛋白質ラジカル種は一般に単寿命な不安定中間体であり、その生成や反応性の制御は非常に困難な課題である。光合成反応中心で見られるように、なぜチロシン残基がラジカル種発生の役割を果たし、どのように高い反応活性を保っているかについては、分光学的検出とその化学反応性の系統的な解析の困難さや、複雑な蛋白質電子移動反応機構のため、明確に結論付けることは未だ容易ではない。 本研究では、新たに酵素とその活性中心へ特異的に結合する小分子の作用機序に着目して、光増感剤を基体とした酵素複合体を人工的に構築し、その多段階的な光誘起電子移動反応の解析と蛋白質内チロシンラジカルの位置選択的かつ安定な生成を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、化学的手法により蛋白質内光誘起電子移動反応系を人工的に構築し、チロシンラジカルのような化学反応中間体を人工蛋白質内に位置選択的かつ安定に生成させる取り組みを行った。 我が国のエネルギー政策においても、クリーンなエネルギー源である光(太陽光)を利用する生体分子の新規機能発現システムの開発が、社会的にも注目を集めているところである。今後さらに、触媒反応系と組み合わせたチロシンラジカルの光化学反応性を調査する予定である。これらは、エネルギー・環境問題にかかる人工光合成、例えば光照射による水からの酸素発生反応なども視野に入れた、新規な光エネルギー変換反応系の創製へと繋がると期待される。
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