研究課題/領域番号 |
20K05574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 雅人 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (60392015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 四極子核 / 広幅NMR / リンギング / デッドタイム / 双極子相互作用 / 片側NMR / TD-NMR / 硫黄 / 固体NMR / 材料開発 |
研究開始時の研究の概要 |
アモルファス材料の開発にはX線回折装置などが利用できないため、固体NMRが広く使われている。しかし、測定対象となる一部の四極子核はNMRスペクトルの線幅が超広幅になるため測定が困難である。たとえばゴムなどの加硫に使われる硫黄などがこれに該当する。この問題を抜本的に解決するNMRプローブと測定技術を開発する。さらに高温超電導アンテナなどと組み合わせることで実用材料を高感度に測定する技術を開発する。
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研究成果の概要 |
四極子核では四極子相互作用による異方性と早い緩和によりNMRスペクトルが広幅化(NMR信号が短時間でなくなる)し、NMR測定が非常に困難となる。測定が困難になる理由は、NMR信号を励起させるために必要な高周波電力の残余成分(リンギング)が、それに続くNMR信号を完全に隠蔽してしまうためである。本研究では、これに対処するためにリンギングを劇的に減らしデッドタイムを短くできる分光計とNMRプローブの開発を行った。その結果、四極子核に限らず、双極子相互作用が大きい場合、例えばTD-NMRにおけるポリマーの測定やCPMGを多用する片側NMRでも有効なNMR分光計を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NMRは化学・生物学の分析装置として幅広く使われているが、現在主に測定しやすい核種、試料状態を測定している。具体的には、液体状の水素核がもっとも多く、近年では試料の高速回転により固体状のものも測定可能となっている。しかし、これらはNMRが本来測定可能な情報の一部にすぎず、NMRのポテンシャルを全く有効活用できていない。特に問題となるのは、一部の四極子核や双極子相互作用によりNMR信号が極端に短くなっている場合である。このNMR信号に含まれる有用な情報は、NMR信号を励起するパルスの残余成分に隠蔽され測定できなかった。この残余成分を極限まで小さくしより多くの情報を得られる装置を開発した。
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