研究課題/領域番号 |
20K05575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
浅川 大樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 上級主任研究員 (60584365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 質量分析 / 気相イオン / ラジカル / タンパク質 / タンデム質量分析法 / ラジカル分解 / ペプチド / 翻訳後修飾 / マトリックス支援レーザー脱離イオン化 / エレクトロスプレーイオン化 / クロマトグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の硫酸化は最も重要な翻訳後修飾の一つであるにも関わらず、硫酸化のメカニズムや、生体内における詳細な機能は明らかにされていない。本研究はタンパク質の網羅的な計測に広く用いられている質量分析法を用いて、タンパク質の硫酸化の本質を理解するための分析基盤の構築を目的とする。 具体的には「硫酸化ペプチド、およびタンパク質の選択的抽出法」と「硫酸化タンパク質の同定のためのラジカル分解質量分析法」の高度化により、生体内に存在する硫酸化タンパク質の網羅的に同定する分析技術の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、強酸性であり特に解析が困難な硫酸化タンパク質の分析を目的とし、硫酸化プロテオミクスを行うための基盤技術、つまり負イオンを対象としたラジカル分解質量分析法に関する研究を行った。特に、電子や水素ラジカルを使用したラジカル分解法によるペプチドの解離メカニズムを明らかにし、当該手法がペプチド負イオンの分析に有用である理論的根拠を示した。これらの基礎研究で硫酸化タンパク質をはじめとした酸性タンパク質の分析結果を容易に同定することが可能となり、硫酸化プロテオミクスの基盤となる質量分析技術を構築できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体中に存在するタンパク質のチロシン残基のおおよそ1%が硫酸化を受けていると報告されている重要なタンパク質翻訳後修飾である。質量分析法の発展により、生体中に含まれるタンパク質の網羅的な計測、プロテオミクス研究が可能となったが、ほとんどの研究報告がタンパク質の正イオンのみを対象としている。硫酸化を受けたタンパク質は強酸性であるため、正イオンを計測対象とした質量分析法では検出が困難である。硫酸化タンパク質をはじめとした酸性タンパク質の網羅的な計測のために開発が急務であった負イオンを対象としたラジカル分解質量分析法を開発した。
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