研究課題/領域番号 |
20K05577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
神田 康晴 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70447085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リン化ロジウム / 昇温硫化 / 二酸化硫黄 / 貴金属リン化物 / 耐硫黄性評価 / 昇温硫化法 / 貴金属リン化物触媒 / 耐硫黄性 |
研究開始時の研究の概要 |
重油の硫黄分低減のため、水素化能の高い貴金属が0価の状態となる貴金属リン化物が水素化脱硫(HDS)触媒として有望視されている。貴金属リン化物の高いHDS活性は高い耐硫黄性に起因すると考えているが、耐硫黄性の詳細は不明である。従来の耐硫黄性評価法では定性的または定量的な評価しかできないため、これらを同時に測定する方法の開発が重要である。本研究では、貴金属リン化物触媒の耐硫黄性を昇温硫化法で定性的かつ定量的な観点で評価し、この触媒が高いHDS活性を示す理由を耐硫黄性の観点から解明する。また、この触媒における耐硫黄性の発現メカニズムも明らかにし、さらに高い耐硫黄性を有する触媒の開発につなげたい。
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研究実績の概要 |
今年度は、二酸化硫黄を用いて昇温硫化(SO2-TPS)プロファイルの測定を行い、リン化ロジウムが高い耐硫黄性を発現する理由について検討した。SO2-TPDプロファイルの測定結果から、5%ロジウム(5Rh)触媒では、100℃以下に二酸化硫黄の脱離ピークと200℃~250℃付近に二酸化硫黄の消費ピークが確認された。なお、5Rh触媒の還元温度を変えても、このプロファイルに大きな違いは見られなかった。さらに、リンを0.8%(P/Rh比0.5)添加した5Rh-0.8P触媒では、250℃付近に二酸化硫黄の消費ピークが見られた。さらに、この触媒の還元処理温度を高くすることによってリン化ロジウムが生成すると、250℃付近の二酸化硫黄の消費ピークは消失した。さらに、リンを1.5%添加した5Rh-1.5P触媒では、低い還元温度で処理してもほとんど二酸化硫黄の消費ピークは確認できなかった。また、還元温度を高くした5Rh-1.5P触媒でも、二酸化硫黄の消費ピークは確認できなかった。 ロジウム触媒へのリン添加量の増加および還元温度の上昇により、リン化ロジウムが生成しやすくなることを明らかにしている。このことから、ロジウム触媒にリンを添加して適切な温度で水素還元することでリン化ロジウムが生成し、これにより二酸化硫黄の消費量が減少することがわかった。また、TPSプロファイルにおける二酸化硫黄の消費量は、硫化水素の場合よりも明確に少なかった。
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