研究課題/領域番号 |
20K05585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 祐平 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (30571228)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エアロゾル / 湿性沈着 / 微量金属元素 / 同位体比 / 遠隔山岳 / 人為起源物質 / 微量元素 / 鉛同位体比 / 遠隔山岳地域 / 人為エアロゾル / Pb同位体比 / 固相抽出法 / トレーサー / 化石燃料燃焼 |
研究開始時の研究の概要 |
2016年から2018年にかけて四国および本州の日本海沿いの遠隔山岳地域の降雪試料中に観測された石炭燃焼由来のバナジウム(V)と石炭燃焼トレーサーである鉛(Pb)の良好な相関関係を活用して、長距離輸送由来と近距離由来の人為エアロゾルの高精度な発生源識別トレーサーの確立をめざす。 そのため同一降雪イベントにおける複数山岳地域での同時試料採取を実施し、降雪試料中の水溶性・非水溶性画分中の微量元素をそれぞれ分析し、V-Pb相関関係とPb同位体比を用いた発生源寄与率の算出および地理的・気象的条件別分布状況の把握を行う。
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研究成果の概要 |
令和2~4年度にかけて四国、中国地方の遠隔山岳・都市部にて湿性沈着59試料を採取し、金属元素濃度およびPb同位体比を測定した。気象データと合わせて解析の結果、四国の山岳の湿性沈着は、日本海側の山岳とほぼ同じ微量元素組成を示すこと、都市部ではV、Cdの存在比が上昇し国内からの寄与が示された。またVとPb濃度は直線相関を示し、直線の傾きが空気塊の移動経路応じて2種類あり、国内からの寄与がある場合その直線関係から外れることを報告した。遠隔山岳でのPb同位体比は長距離輸送の寄与が大きいことを示し、都市部の値は国内からの寄与が最大で石炭飛灰由来21.5%、ゴミ焼却飛灰由来91.2%であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同一降水イベンドでは空気塊の遠方経路が共通しているためそれぞれの地点で長距離輸送の寄与は同じであるのに対して、近距離輸送の寄与は地理的要因によって地点ごとに異なる。この共通点と相違点を利用することで国内からの近距離輸送の寄与の検出ツールとして微量元素組成が有用であることを示した点は、本研究の学術的意義である。エアロゾル研究において発生源が近距離(国内)か長距離(国外)かを識別することは重要な課題であり、同位体分析等の高度な分析方法を要していた。それが比較的簡便な濃度分析によって可能になることで、エアロゾルの発生源に関するデータの充実が期待できる。
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