研究課題/領域番号 |
20K05589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 大阪電気通信大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
外山 真理 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (90373018)
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研究分担者 |
茶山 健二 甲南大学, 理工学部, 教授 (10188493)
長尾 憲治 明治大学, 理工学部, 専任教授 (60245800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ルテニウム(II)錯体 / フッ化物イオン / センサー / コバルト錯体 / 結晶構造解析 / 水素結合 / キュバン錯体 / NMRスペクトル / 結晶構造 / キュバン / ルテニウム錯体 / DFT計算 / 検出剤 / ポリピリジル配位子 / アミノ基 / 呈色 |
研究開始時の研究の概要 |
フッ素は虫歯予防薬として広く認知されているが、過剰摂取は骨粗しょう症等の原因にもなる。また、スマートフォンなどの電子機器部品の製造にフッ酸は不可欠であり、それらの工場廃液には多量のフッ化物イオンが含まれる。 現在のフッ化物イオンの検出方法は、①実験室での前処理が必要で、②検出試薬に高価な希土類を用いる。そこで、本研究課題では、①フィールドワークで利用可能で、②希土類より安価なルテニウムやコバルトを用い、フッ化物イオンとの反応が肉眼で判定可能な呈色を示す新規錯体をデザイン・合成し、評価をする。更に、フッ化物イオンを溶液から除去する能力や、試薬の再生利用についても検討し、新しい環境分析薬を開発する。
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研究成果の概要 |
F-との反応サイトを4つ持つルテニウム(II)錯体を合成し、結晶構造、溶液中でのF-との反応、F-との反応生成物の構造を調べた。錯体はF-と最大1:3で反応し、目視ではっきりわかる呈色を示した。 原料コストを下げるためコバルト(III)で対応する錯体で、F-と目視で判定できる呈色反応す錯体を合成したが収率を55%以上に向上することが困難であった。そこで、ターゲットをコバルト(II)錯体に変更した結果、合成が容易(収率80%)でF-と反応して溶解度の非常に低い生成物を生じる錯体を得た。更に、生成物はCo4-F4キュバン骨格を持つ四核錯体であることを明らかにした(収率85%)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では安価で簡単な手順でフッ化物イオン(F-)を検出できる試薬(錯体)の開発を試みた。まず、モル吸光係数の大きな(色が鮮やかな)ルテニウム(II)錯体で、F-の検出が人の目で溶液の色の変化としてわかる検出試薬を合成した。更に、より安価な検出試薬となるようコバルト錯体で2種類の研究を行なった。1つ目の錯体はCo(III)錯体で、変化はルテニウム(II)錯体ほど顕著ではないが、F-の検出が目視でわかる試薬を合成した。2つ目はCo(II)錯体で、検出試薬の溶液にF-を加えると、生成物が析出する(溶液が濁る)試薬を合成した。
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