研究課題/領域番号 |
20K05593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
尾西 尚弥 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (50768223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ギ酸 / 脱水素化 / 均一系触媒 / 耐久性触媒 / 水素発生 / 遷移金属触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
水素社会構築のため,水素を安全に貯蔵・輸送する技術の開発が求められている.ギ酸は高い水素体積貯蔵密度を有し,環境・人体への負荷も低いことから水素貯蔵物質として注目されている.本研究ではギ酸脱水素化による水素発生反応に対し,効果的な触媒開発を目的とする.特に,耐久性が高く長時間水素を発生し続ける触媒が求められているため,これまでの触媒開発知見を基に反応中間体の安定に寄与するような触媒設計を行う.
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研究成果の概要 |
次世代のエネルギーとして注目されている水素は取り扱いが難しいため,別の化合物に変換して貯蔵・輸送を行う技術の開発が必要とされている.ギ酸は安価で人体・環境への負荷の小さい水素貯蔵体として知れている.本研究では,ギ酸の脱水素化反応による水素発生反応に対し,高耐久性の触媒開発に取り組んだ. 触媒活性や耐久性の向上に電子供与性置換基の導入が効果的と考え,新規触媒を設計し,反応に用いたところ,43日もの間触媒性能を維持することが明らかとなった.現在のところ,水溶液中での反応においては世界最高性能である.今後は,今回得た知見をもとにさらなる高性能触媒の開発に取り組む.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,ギ酸の脱水素化からの水素発生反応に対し,高活性かつ高耐久性触媒の開発に成功した.本成果は,水素を化石燃料に代わるエネルギー燃料として用いる社会への移行に資するものであると考えられる.また,今回開発された触媒は実用化には及ばないが,耐久性という観点から研究を行った点で,学術的に意義の大きかったものであるといえる.
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