研究課題/領域番号 |
20K05606
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
淺原 時泰 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (20632318)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 表面改質 / ポリ乳酸 / 細胞足場材料 / 二酸化塩素 / 光反応 / 細胞親和性 / 細胞接着 / 光酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリ乳酸(PLA)は生体適合性、生体吸収性という特長から再生医療用の細胞培養に必要な足場材料として期待されている。一方で、疎水性であり細胞との親和性に劣るといった課題を有している。本研究では、我々が開発した光活性化二酸化塩素(ClO2・)を用いた樹脂表面改質法により、PLAの表面物性を制御し細胞親和性の向上を図る。とくに組織構造構築の足場として重要な、三次元の複雑なPLA構造体への機能性付与を達成する。
|
研究成果の概要 |
PLAに対する二酸化塩素光酸化処理による表面改質(酸化)を行った。導入官能基の同定によりカルボキシ基が有意に増加することを見出すとともに、その定量法として染色法を活用し酸化度の評価手法を確立した。既存手法との比較により、導入官能基の差異やバルク物性への影響が小さいという利点などが明らかとなり、本改質法に特徴的な新たな用途の開発も期待された。当初想定通り、細胞親和性が向上することも明らかとなり、改質PLAを基材とした培養において細胞数の有意な増大と細胞の伸展が見られた。3Dプリンタを用いた三次元構造体の作製と改質も行い、内部にまで均一に処理できることも明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞足場材料は再生医療において重要な要素の一つである。本研究では、生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)に対し、二酸化光塩素改質法を適用することで細胞親和性の付与を試みた。本法は反応性のガスを用いた表面改質法であり、既存手法と比較してバルク物性を維持したままに官能基を導入できる、複雑形状にも処理可能などのメリットがあることがわかった。また細胞親和性の向上も認められたことから、再生医療の発展に貢献できる新たな基盤技術を開発できたと言える。表面改質法として多様な応用展開も期待される。
|