研究課題/領域番号 |
20K05613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
為末 真吾 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (10611767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 接着 / ゲル / 成長 / 環境適応材料 / ソフトマテリアル / オルガノゲル / 事後反応 / ヒドロゲル / リビングラジカル重合 / 可逆的付加開裂連鎖移動重合 / ソフトロボット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではリビングラジカル重合の一種である可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT重合)の開始点となるトリチオカルバマートを架橋点としてヒドロゲル同士、ヒドロゲルと生体組織の接着を行う。その接着部の架橋点であるトリチオカルバマートを開始点として重合を行い、接着部を成長させる。さらにその成長に伴う接着力や柔軟性などの物性評価を行う。そして刺激応答性を持った原料を用いて接着部を成長させることによって刺激応答性などの機能を有する接着部へと成長させる。
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研究成果の概要 |
本研究では、使用環境の変化に適応することのできる接着剤の開発を目指し、接着した後に様々な機能を付与することのできる接着システムの開発を行なうことを目的としている。そのための研究の一歩目としてゼリー状の材料であるゲルを用いて、接着後に高分子反応によって接着部の機能を付与することのできるゲル接着システムの開発を行った。 接着後に機能を付与するための構造として高分子合成によく用いられているRAFT重合に着目した。RAFT重合では、ジチオカルバマートやトリチオカルバマートなど硫黄と酸素からなる構造を用いて、精密な高分子を合成することができる。本研究ではこれを利用し、接着後の接着部の機能化を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、官能基トリチオカルバマートを架橋部として、ゼリー状の材料ゲルを接着することに成功した。さらに接着部であるトリチオカルバマートからRAFT重合によって、熱応答性高分子であるポリNーイソプロピルアミドを成長させることに成功した。それによって接着した後に、接着部に新しい機能として熱刺激応答性を付与することに成功した。接着部を40度以上に加熱することでポリNーイソプロピルアクリルアミドが凝集し、接着部の強度が向上することがわかった。このように接着後に構造を変化させ、機能を改変できる接着部は刻一刻と変化する環境に適応させることの容易な接着部として有益である。
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