研究課題/領域番号 |
20K05614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
星野 勝義 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50192737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 金色調光沢 / チオフェン重合体 / ラメラ結晶 / 塗布膜 / 導電性ポリマー / ポリマーブレンド / 金属調光沢 / オリゴチオフェン / 溶液塗布膜 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、3-メトキシチオフェン重合体を合成し、その塗布膜が金属を含まないにもかかわらず、金色調の光沢を発現することを見出していた。近年では、その機構を明らかにしたが、その研究の過程で、2つの重要な事象を見出した。1つは、上記重合体をアクリル樹脂にブレンドすると、膜の表がピアノブラック、裏面が金色調となる事象であり、2つ目は水溶性の3-メトキシチオフェン重合体を開発したところ、その塗布膜が強い金色調を示した事象である。本研究では、これらの事象の学術的検討により、金属光沢加飾用の樹脂ブレンド塗料・インクおよび水性塗料・インクの開発に拍車をかけ、社会実装を加速しようとするものである。
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研究成果の概要 |
研究代表者は、3-メトキシチオフェン重合体の塗布膜が金色調光沢を発現することを発見していた。本研究では、重合体をアクリル樹脂とブレンドすることにより、膜表面が黒色光沢、裏面が金色調の色度を発現すること、及び新たに合成された水溶性重合体が従来よりも強い金色調を発現することの機構について調べた。その結果、ブレンド膜においては、金色調の要因となる重合体のラメラ結晶が膜表面では少なく、裏面では多いことが色度の相違を生じることを示した。また、水溶性重合体においては、重合条件を変えた検討により、従来重合体と比較して膜中により多くのラメラ結晶が形成されることがより強い光沢発現の要因であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日常生活に用いられる金属調光沢塗料には金属微粉末が含有されており、金属の使用に伴う多くの問題点を内蔵している。研究代表者が開発した金色調光沢重合体は金属を含まないためのそうした問題点を解決する可能性がある。本研究においては、水溶性でありかつ強い金色調光沢を示す物質の開発とその機構の解明を行うことができた。また、汎用樹脂とのブレンドにより、金色調光沢塗料と並んで高級感を演出する黒色光沢塗料の開発にも成功し、黒色光沢発現の要因にも迫ることができた。
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