研究課題/領域番号 |
20K05617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
服部 義之 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (20456495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | リチウムイオン二次電池 / フッ化鉄 / グラフェン / 高エネルギー密度電池 / リチウムイオン電池 / カーボン材料 / ナノカーボン / 繊維 |
研究開始時の研究の概要 |
フッ化鉄系材料(FeOxFy)をグラフェンナノ空間に生成させ、高容量で高速充放電可能な次世代のリチウムイオン二次電池(LIB)を創製する。これを実現するため、繊維材料の炭素化過程を制御し、湾曲したグラフェンからなるグラフェン繊維を創製する。次いで、グラフェンの湾曲により導入されたナノ空間の擬高圧効果と空間制約性により、ナノサイズのFeOxFyを生成させる。生成したグラフェン- FeOxFy複合体繊維について、グラフェン由来の高電気伝導性、FeOxFyの高容量、および一次元繊維構造化による高速イオン拡散の効果により、現行のLIBの3倍以上の容量と高速充放電可能な革新電池を創製する。
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研究成果の概要 |
本研究では、優れたリチウムイオン二次電池(LIB)電極特性を示すフッ化鉄系材料に注目し、その電極特性を最大限に引き出すための物質調製法を提案した。コットン繊維の微細構造の利用と、フッ素ガスの反応性の制御により、グラフェン状物質を含むカーボン-フッ化鉄ナノ粒子複合体繊維の調製に成功した。この複合体繊維は、平均繊維長が約52μm、平均繊維径が約10μmであり、フッ化鉄ナノ粒子はグラフェン状物質を含むカーボン被覆された構造を有する。この複合体繊維のLIB特性を評価したところ、可逆的に充放電反応が進行することが確認でき、最大でフッ化鉄重量当たり186 mAh/gの容量が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、グラフェン状物質から構成された制約空間中における化学反応、および天然繊維の微細構造を利用した物質調製に成功した。これらの成果は、新奇な物質合成手法を実現した点において、学術的な価値があるといえる。また、研究対象としたフッ化鉄は次世代電池の電極として期待されている材料の一つである。それをグラフェン状物質で被覆し、さらに複合体繊維することに成功した。この複合体繊維が、リチウムイオンを可逆的に充放電することが確認できたことから、次世代革新電池の研究開発にも貢献するという社会的意義もある研究成果となった。
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