研究課題/領域番号 |
20K05622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 伸 九州大学, 工学研究院, 教授 (30567061)
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研究分担者 |
葛西 昌弘 九州大学, 水素材料先端科学研究センター, 特任准教授 (80600387)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 発泡樹脂 / 構造力学モデル / 高圧水素ガス / 可塑化 / 球晶 / 高圧水素適合性高分子材料 / 超音波弾性率 / 動的粘弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
環境問題への対応から水素社会の実現が希求されている。燃料電池車用水素供給インフラに用いられる高分子材料の高圧水素雰囲気下における劣化モード、物性などの研究を進めてきた。90 MPaの高圧水素に24時間曝露したナイロン樹脂において曲げ弾性率が低下し、約10時間後に元の値に戻る現象を見出した。この挙動は減圧後、樹脂中に生成する微小な気泡が関与していると考えられる。同じ条件で窒素曝露 した場合にも弾性率減少は起こるが緩和現象は見られなかった。ポリウレタンなどの発泡樹脂を対象として空孔率と材料力学特性の関係が導かれているが、本研究ではこれらのモデル から、本現象をどの程度説明できるか検討を進める。
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研究成果の概要 |
持続可能な社会を実現するため,カーボンフリーな水素をエネルギーとして利用するための研究が進められている。水素は燃料電池自動車(FCEV)の燃料として,既に水素ステーションで供給されているが,必要な走行距離を得るために1000気圧近い圧力まで加圧する必要がある。このような高圧水素を安全かつ確実にFCEVに供給するために、シール材やホース材にナイロンなどの高分子材料が使用されている。本研究は高圧水素が材料中に侵入してその弾性率(硬さの指標)を低下させる現象を,ミクロな気泡形成のレベルからナノスケールの分子鎖相互作用に至る3つのモデルを用いて解明しようとしたものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,FCEVに高圧水素を供給する水素ステーションの基盤材料技術に関するものである。水素ステーションでは水素漏れを防ぐシールや,水素を移送するホースが高圧水素に晒される。水素は分子の大きさが小さいため,物質内部に入り込むことが知られているが,それによる物性変化は明らかではなかった。本研究は水素ガスが物質のナノスケールの構造と、材料物性を変化させるメカニズムを明らかにした。本研究を発展させることで,高圧水素材料に求められる材料スペックの明確化,部品交換時期の予測,劣化機構に基づく新材料の開発など水素エネルギー社会実現に寄与することが期待される。
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