研究課題/領域番号 |
20K05627
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞弓 皓一 東京大学, 物性研究所, 准教授 (30733513)
|
研究分担者 |
藤本 和士 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70639301)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 高分子ゲル / 中性子準弾性散乱 / 分子ダイナミクス / 分子動力学シミュレーション / 強靭性 / 応力集中 / 動的架橋 / ポリエチレングリコール / 破壊力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、変形した高分子ゲル中における高分子鎖の分子ダイナミクスを中性子準弾性散乱法および全原子分子動力学(MD)シミュレーションによって解析することで、高分子鎖の形態分布(局所歪み分布)を定量し、材料の破壊を支配している応力集中鎖(伸び切り鎖)を検出する。高分子ゲルの架橋構造と変形下における応力集中、およびマクロスケールにおける破壊挙動の相関を調べることで、高分子架橋材料の破壊メカニズムを明らかにし、強靭化に向けた分子設計指針の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、伸長に伴う高分子ダイナミクス変化を調べるために、均一な高分子ゲルの延伸下における中性子準弾性散乱実験および伸長した高分子鎖の全原子分子動力学(MD)シミュレーションを行った。その結果、延伸に伴って伸長に垂直な方向の高分子ダイナミクスが速くなることを明らかにした。また、網目構造が不均一な高分子ゲルの伸長下における中性子準弾性散乱測定を行うことで、不均一ネットワークを変形させた際に生じる応力集中鎖の検出に成功した。さらに、環動架橋点を導入した高分子ネットワークの伸長シミュレーションによって、環動効果によって伸長下における応力集中を緩和することができることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで十分に研究されてこなかった変形した高分子鎖のダイナミクスを実験・シミュレーションの両面から明らかにし、またその知見を元に、変形した高分子材料中における応力集中鎖を検出することに成功した。変形による応力集中鎖の発生は、マクロな破壊挙動の支配因子であり、本手法は高分子材料の破壊メカニズムの解明において有用である。また、本研究では、固定架橋ネットワークに一定比率の環動架橋を導入することで、応力集中鎖の発生を大幅に抑制できることも見い出しており、本成果は架橋高分子材料を強靭化するための分子設計指針を与えるものである。
|