研究課題/領域番号 |
20K05628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小久保 尚 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 特別研究教員 (80397091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | π共役高分子 / ブロック共重合体 / イオン液体 / イオンゲル / 電子・イオン混合伝導体 / ミクロ相分離構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲルでありながら、電子もイオンも流す材料を創製する。電子伝導性高分子とイオン伝導性高分子を結合させたブロック共重合体と電解液を混合することでゲルを作製する。 伝導性を高めたり、ゲルの強度を上げたりするためにはミクロな視点で構造を制御する必要がある。分子量や分子量比を調整することで様々なミクロ相分離構造を形成することが予想される。これを走査型電子顕微鏡などで観察する。この構造が力学物性や伝導性に与える影響をまとめる。 最終的には、このゲルを用いた高分子アクチュエータ(電気刺激によって形を変形させる素子)などに適用する。
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研究成果の概要 |
汎用高分子と電子伝導性π共役高分子から成るブロック共重合体を合成し、室温において液体でイオン伝導性を有するイオン液体と組み合わせることで新たな機能を有するソフトマテリアルの創製を目指してきた。一般的なπ共役高分子・ポリ(エチレンオキシド) (PEO)はイオン液体にそれぞれ非相溶・相溶であり、ブロック共重合体とイオン液体を組み合わせると物理ゲルが得られた。ゲル内でπ共役高分子の凝集体が物理架橋点の役割を果たし、PEO部位がイオン液体を保持するために利用されている。このゲルはイオン伝導性のみを示したがヨウ素ドーピングを施すことで電子伝導性を発現することが確認され、伝導度は2桁以上向上した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では電子・イオン混合伝導性ゲルの創製を試みた。このような材料の報告は少なく、ゲル内のモルフォロジーと各種物性を相関づけた基礎的な知見を得られたことは、材料科学の観点から意義深いと考える。本研究で得られた理解から将来的に電池用電極材料やゲルの柔らかさを活かしたソフトアクチュエータなど電気化学デバイス、またπ共役高分子が有する光化学活性を活用した光化学デバイスへの適用が期待される。
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