研究課題/領域番号 |
20K05640
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
硯里 善幸 山形大学, 有機エレクトロニクスイノベーションセンター, 教授 (80570134)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 光緻密化 / ウェットプロセス / 印刷 / バリア / フレキシブル / 有機エレクトロニクス / 真空紫外光 / ポリシラザン / バリア構造 / ハイバリア / 水蒸気透過度 / 陽電子消滅法 / VUV光 / ウェットコート / VUV / 緻密化 / 膜組成 / 残留水素 / モルフォロジー / 有機EL / フレキシブル化 |
研究開始時の研究の概要 |
有機デバイスは水蒸気に対して敏感に劣化するため、フレキシブル化に対応した水蒸気バリア構造が必要である。特にOLED(有機EL)では、真空成膜による無機膜とウェットコートした有機膜の積層構造が用いられている。本研究では無機膜もウェットプロセスにより成膜することで、全印刷可能な封止構造を達成する。ウェットプロセスによる無機膜は疎な膜であるため、水分子が容易に通過してしまうが、本研究では低温・不活性雰囲気下・真空紫外光(VUV:172nm)を用いることでσ結合を直接切断、膜を再構築・緻密化することが特徴である。本研究成果はバリア技術を必要とする他の広い産業にも用いることが可能な技術である。
|
研究成果の概要 |
ウェットプロセスによるウルトラハイバリアの達成には、ナノ空隙の抑制した緻密な無機膜の形成が重要である。本研究ではSi-Nを主骨格に有するポリシラザン(PHPS)をウェットコートにて成膜後、窒素下・室温にて真空紫外光(VUV光λ=172nm)を照射することで、緻密なSiNx膜を得ることに成功した。光緻密化PHPS膜をバリア層に用いることで、水蒸気透過度(WVTR)=5x10-5g/cm2/dayを達成した(世界最高性能)。加えて陽電子消滅法から水分子サイズ以上のナノ空隙はVUV光照射により減少することを確認した。光緻密化過程はSi-N結合の切断と再結合による原子再配置が重要であると考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウェットプロセスと光緻密化により、真空成膜に並ぶ水蒸気バリア性能が得られた。これは世界最高性能である。このバリア技術はデバイスだけでなく、包装など広く活用可能な技術であると考えている。またサブ-ナノサイズの空孔の制御は、学術的にも意義が高い。
|