研究課題/領域番号 |
20K05644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
飯野 裕明 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (50432000)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 有機半導体 / 液晶性 / 有機トランジスタ / Nチャネル / 電荷移動錯体 / 溶液プロセス / Nチャネル有機トランジスタ / 液晶性有機半導体 / 液晶性IQIQ誘導体 / 液晶性DBN誘導体 / 液晶性ペリレンジイミド誘導体 / 液晶性ジアルキルBTBT誘導体 / Nチャネルトランジスタ / 棒状液晶材料 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の溶液プロセスで作製可能な高品質なNチャネルの有機トランジスタの実現を目指す。溶液プロセスでも結晶性が高く平坦性に優れた多結晶薄膜が作製でき、高移動度を示す棒状液晶材料に注目する。Nチャネルで動作させるために電極からの電子注入が容易でトラップの影響を受けにくい深いLUMOレベルを有する棒状の液晶性有機半導体として細長い縮環構造に窒素原子を有する2つの誘導体を合成し、その材料を用いた溶液プロセスでの製膜とトランジスタ特性の評価を行う。
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研究成果の概要 |
棒状の分子構造をとり、液晶性を有する有機半導体材料を用いて、簡易な溶液プロセスで作製できるNチャネルの有機トランジスタの実現を目指した。深い最低空軌道(LUMO)準位を有する棒状の液晶性有機半導体材料を開発し、液晶性を用いた製膜により平坦な多結晶薄膜の製膜ができた。しかしながら、結晶性が低く目的のNチャネル動作には至らなかった。一方、電荷移動錯体薄膜を用いたアプローチでは、液晶性を有する有機半導体(ドナー分子)にアクセプタ分子を積層し、熱拡散という新たに開発した手法を用いることで、簡易な溶液プロセスで平坦な結晶薄膜の形成、さらに大気中でも安定に動作するNチャネル有機トランジスタを実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでNチャネルの有機トランジスタは、単結晶薄膜を用いるなど製膜速度が遅く大面積への適用性が困難であった。本研究では、液晶性を活用した溶液プロセスにより作製した平坦な多結晶薄膜に、アクセプタ分子の熱拡散という新たな技術を導入することで、平坦性・均一性の高い電荷移動錯体薄膜を容易に形成することに成功した。この電荷移動錯体薄膜を用いたところ、特性のそろったNチャネルの有機トランジスタが実現できており、低消費電力の電子回路に必須な相補型の有機電子回路の実現に大きな寄与を与えるものと期待される。
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