研究課題/領域番号 |
20K05646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
吉野 惇郎 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (70553353)
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研究分担者 |
林 直人 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (90281104)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 感光性物質 / フォトクロミズム / カチオン性ホウ素 / 構造-物性相関 / 分子集合構造 / 結晶構造 / 同形結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
光酸化還元型有機フォトクロミック化合物は、スマート素材の広い分野に応用可能性がある重要な化合物クラスである。その代表的存在であるビオロゲンに類似した高い電子受容性をもつボロニウム(カチオン性ホウ素)錯体について、近年申請者が感光性挙動を発見した。しかし、ボロニウム錯体の光応答挙動と分子構造および分子集合構造の関係はほとんど未知のままである。本研究では、ボロニウム錯体のホウ素上の置換基構造、対アニオンの構造、および分子集合構造が光応答挙動に及ぼす影響を、分子軌道的特徴、酸化電位、およびイオン対間距離を指標候補として解明する。
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研究成果の概要 |
ビピリジン-ボロニウム錯体のホウ素上の置換基が第二級アルキル基だけでなく第一級アルキル基の場合も固相光応答着色挙動を示すこと、およびホウ素上の置換基がフェニル基の場合は光応答性を示さないことを明らかにした。さらに、ビピリジン-ボロニウム錯体の分子構造の変化が分子集合構造の変化を介してどのように光着色体の吸収波長に影響するかを、カチオン部分のかさ高さを変化させた化合物およびアニオン部分のかさ高さを変化させた化合物の合成、結晶構造解析、および光照射実験から明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光応答性化合物は、光によってその色、構造、およびその他の性質を制御して切り替えることができることから、調光材料、分子スイッチ、あるいは情報記録媒体への応用が期待されている。本研究は、ボロニウム錯体のもつ特性のうち、これまで充分な注意が払われていなかった側面である光応答性に焦点をあてて、光応答性発現に及ぼす分子構造および分子集合構造の影響を明らかにしたものであり、ボロニウム錯体の化学の新展開を推し進めるものである。また、本研究の成果を活用することで、新規な光応答素材の開発において的確な分子設計および分子集合構造設計ができるようになり、メモリーデバイス等の新素材の開発を促進できると期待される。
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