研究課題/領域番号 |
20K05654
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
平岡 一幸 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50267530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 液晶エラストマー / 高分子液晶 / 架橋 / フレクソエレクトリック効果 / 人工筋肉 / 広がり変形 / 曲がり変形 |
研究開始時の研究の概要 |
液晶エラストマーは液晶の異方的機能とゴム弾性などエラストマーの力学的性質を併せ持つ材料である。液晶に特有なフレクソエレクトリック効果は変形により分極が発現する現象であり、通常、液晶の流動性のため発現後すぐに消失する。本研究では液晶エラストマーが液状でなくソフト固体であることに注目し、フレクソエレクトリック効果を架橋により固定した自発分極を持つ液晶エラストマー合成し、電場で駆動できる人工筋肉やソフトアクチュエーター材料の設計と試作を行う。具体的には、ポリシロキサン高分子主鎖に楔型メソゲン等を側鎖に導入し、広がり変形や曲り変形下で架橋することで自発分極をもつ液晶エラストマーを合成し研究を推進する。
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研究実績の概要 |
引っ張り変形下ならびに曲り変形下で架橋反応した側鎖型液晶エラストマーを作成し、フレクソエレクトリック効果による分極発生を検討した。主鎖ポリマーとしてポリメチルヒドロキシシロキサンを、メソゲンとして楔型形状のコレステロール誘導体モノマーを用いた。これらに二官能性の架橋剤を加え、トルエン溶媒に溶かしヒドロシリル化反応により側鎖型液晶エラストマーを得た。反応完了前に合成物を取り出し、室温で所定の変形を加えながら反応を続け配向試料を得た。試料の相系列は[g 25-33 SmA* 100-120 I (℃)]であった。半経験的分子軌道法により求めたコレステロール誘導体モノマーの分子長軸方向の電気双極子モーメントは1.1debide程度であった。分極はKistler社製のCharge Meter Type5015を用い、電極と試料の接触面積を1.5 mm2にて測定した。 引っ張り変形試料中央部は一様に配向した(秩序パラメータS~0.5程度)。等方相へ転移してもS = 0.15-0.2の配向秩序が残っており、擬似的なネマチック状態であると考えられる(以下、擬似等方相)。参照試料のシリコンゴムの場合、測定温度範囲20℃~160℃の間で電荷は発生しなかった。メソゲンが均一に一軸配向している引っ張り変形サンプルの中央部ではシリコンゴムと同様に電荷は発生しないが、広がり変形した末端部では擬似等方相において809pC/mm2程度の電荷の発生が確認された。 馬蹄型変形試料は厚さ方向にダイレクターが広がり変形していることをX線回折より確認した。馬蹄型変形試料の場合、SmA*相の温度領域ではほとんど電荷は発生しなかったが、100℃付近の液晶相から擬似等方相への相転移に伴いフレクソエレクトリック分極によると推定される電荷が観測され、温度の上昇に伴い増加し140℃以上では1400pC/mm2程度に達した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年春に発生したコロナ禍の影響により、2020年4月から2021年9月までは実験を行うことができず研究の進捗が遅れた。2021年10月ごろから実験が行えるようになり2022年度は順調に研究を推進することができたが、研究全体としてはやや遅れた状態である。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」で述べた通り、側鎖型液晶エラストマーの引っ張り変形試料末端部や馬蹄変形試料において、ダイレクターの広がり変形とそれに伴うフレクソエレクトリック分極の発生が確認できた。しかし当初計画していた、側鎖型液晶エラストマーのせん断変形試料などの作成とそれら試料のフレクソエレクトリック分極の検討までは至らなかった。また、これも当初予定していた主鎖型液晶エラストマーを用いた非対称変形試料の作成と分極発生の検討についても手付かずの状態である。2023年度への延長が認められれば、これらのテーマについて取り組む予定である。
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