研究課題/領域番号 |
20K05659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
松本 太輝 宇都宮大学, 機器分析センター, 准教授 (00419417)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 酸化チタン / 酸化ジルコニウム / 酸素欠陥 / 光触媒 / 光触媒活性 / ORR活性 / ソフトプロセス / 液相合成 |
研究開始時の研究の概要 |
化学的に安定な4族、5族の金属酸化物中に「酸素欠陥」を導入することにより、可視光照射下での「光触媒活性」や「酸素還元(ORR)活性」を発現することが報告されているが、酸素欠陥によるこれらの特異な光電気化学特性の発現機構は必ずしも明らかになってはいない。 本研究では、金属-酸素-金属結合が一次元鎖状に成長した「低次元成長酸化物」を前駆体とするソフトな酸素欠陥導入プロセスを新たに提案するとともに、導入される酸素欠陥量を他の物性とは独立に精密制御する手法を開拓することを主たる目的とし、特異な光電気化学特性の発現機構の解明および光触媒/電極触媒材料の高度化・高活性化につながるものと期待される。
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研究成果の概要 |
独自のゾル-ゲル法により合成した「低次元成長金属酸化物」を前駆体とし、窒素源試薬との複合化と真空下での焼成を組み合わせることで、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムの合成系において、酸素欠陥を積極的に導入する新たな合成プロセスを開拓した。また酸化チタン系においては酸素欠陥の再酸化によって、酸化ジルコニウムにおいては焼成時の真空度を変化させることで、酸素欠陥量の自在な制御も達成した。 得られた試料の可視光照射下での光触媒活性を評価したところ、酸化チタン系においては、光触媒活性の顕著な酸素欠陥量の依存性が観察された一方で、酸化ジルコニウム系では酸素欠陥量の依存性は観察されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では高温高圧を必要としないソフトなプロセスにより化学的に安定な4族、5族の金属酸化物中に「酸素欠陥」を導入する新たなプロセスを開発したことで、欠陥導入型金属酸化物材料の応用、適用領域が今後いっそう広がるものと考えられる。特に酸素欠陥量が精密に制御された欠陥導入型金属酸化物の合成が可能となったことから、これらに関して光触媒活性やORR活性を評価し酸素欠陥量の影響を明確化することで、特異な光電気化学特性の発現機構の解明および光触媒/電極触媒材料の高度化・高活性化につながるものと期待される。
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