研究課題/領域番号 |
20K05662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
籠宮 功 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40318811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | イオン伝導 / インターカレーション / 層状ペロブスカイト / トリプルコンダクター / イオン輸率 / インターカレーション反応 / 混合伝導性セラミックス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①インターカレーション反応を示す鉄層状ペロブスカイト酸化物について電子(hole)、プロトン、酸化物イオンの各導電率を正確に評価する。一方で、回折実験に基づき、この鉄層状ペロブスカイトの結晶構造を明らかにし、イオン導電機構について議論する。①、②の関係を検討することで、この系のプロトン・酸化物イオン導電性を向上させる学術指針を獲得し、より性能の高いトリプルコンダクターを見出すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
水蒸気分圧勾配下の起電力測定により、水和した鉄系層状ペロブスカイトが、125-200℃の温度範囲で水酸化物イオン-電子混合伝導体であることを明らかにした。この水酸化物イオン伝導が生じる温度範囲で、水酸化物イオンが存在するのは、Srサイト近傍の特定の酸素サイトであるので、この特定サイトに配位したOH-がこの系の水酸化物イオン伝導に重要な役割を果たすと結論づけられる。さらに、水分子、OH基が脱離した200℃以上の高温では、そのイオン伝導種は水酸化物イオンからプロトンに変化することを見出した。酸化物イオン伝導性を示すより高温(約600℃以上)では、トリプルコンダクターとなりうることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで本研究で着目するインターカレーション反応を示す鉄系層状ペロブスカイトにおいて、120℃以上の高温におけるイオン伝導種が未知であったが、本研究でその詳細を電気化学的手法により明確にできた。また、そのイオン伝導機構は未解明であったが、局所構造の観点から、その機構の有効な手がかりを得た。以上の成果は、鉄層状ペロブスカイト系の特徴的なイオン伝導性の研究において学術的意義の高い成果であると考えている。
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