研究課題/領域番号 |
20K05678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
有馬 ボシールアハンマド 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (30596549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 太陽光エネルギー変換 / 水素製造 / ナノ光触媒 / 太陽エネルギー変換 / 光触媒 / ナノコンポジット / 機構解明 / バイオ分子 |
研究開始時の研究の概要 |
水の分解から水素エネルギーの生成のため可視光応答型光触媒として硫化カドミウム(CdS)が最も注目を浴びたがCdSの太陽光エネルギー変換効率が低いと不安定性が問題である。我々は人体に存在するバイオ分子を含めたCdSナノコンポジットを合成し、水素発生量を通常より約48倍の増加に成功した。また、通常のCdSと比べてナノコンポジットは安定である事が分かった。しかし、この効果の原理はまだ分かってない。水素製造のさらなる増加と産業生産のためにバイオ分子の効果原理を把握する必要がある。本研究でバイオ分子によるCdS光触媒の活性の向上及び光腐食防止の機構を解明し、高効率な水素製造システムの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではバイオ分子の添加によるCdS光触媒からの水素発生量の増大の機構解明及び試料調整の最適化により水素発生量のさらなる増大を目指した。その結果、芳香環を有するバイオ分子添加したCdS試料からの水素発生量が大きかった。また、バイオ分子の芳香環がCdS中に形成する正孔との総合作用で電荷分離を促進させ水素発生量の増大に貢献すると分かった。最後、水素製造実験において光触媒の量を調整した結果、水素発生量が前回の報告よりも約8倍の増大に成功した。これによってCdSからの水素発生量は世界トップクラスになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではバイオ分子の添加によるCdS光触媒からの水素発生量の増大の機構解明及び試料調整の最適化により水素発生量のさらなる増大を目指した。バイオ分子を利用した異例な水素発生システムを詳細に調べることでバイオナノテクノロジー分野及び光触媒の反応場に関する新たな知見が得られると共に光触媒の研究にも大きく貢献することが期待される。また、CdSナノコンポジットを利用して通常のCdSより水素発生量を約450倍の増加に成功したことで太陽光を有効に利用して水素の産業生産の実現が可能となり、現在大変開発が進んでいる燃料電池やそれを搭載した自動車の普及、地球温暖化の根本的な防止に大きく貢献できると期待される。
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