研究課題/領域番号 |
20K05686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梶原 隆史 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (80422799)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 二酸化炭素還元 / 多孔性配位高分子 / 光触媒 / 物質分離 / 多孔性金属錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
二酸化炭素 (CO2) を有用な物質に再資源化する人工光合成系の開発に期待が持たれているが,天然の光合成系に比べると未だ改善すべき点が多い.特に,天然光合成系が空気中にごくわずかに含まれるCO2を原料にしていることは,既報の人工光合成系が高濃度のCO2の使用を前提としていることと対照的である.本研究では,CO2分離・濃縮機能に優れた多孔性金属錯体 (PCP/MOF) に着目し,空気中のCO2還元の実現を志向した革新的な光触媒を創製する.
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研究成果の概要 |
持続可能な社会の実現のために,二酸化炭素を再生エネルギーを用いて有用物質に変換する人工光合成の開発が強く望まれる.本研究では,二酸化炭素濃縮機能を有する多孔性配位高分子の細孔壁に,二酸化炭素還元触媒を固定化することにより,細孔内で局所的に二酸化炭素の高純度化・高濃度化させてそのまま変換するという発想のもと,多孔性を有する複合触媒を合成し,その反応性を評価したところ,実際に,反応系中で二酸化炭素が濃縮されていることを強く示唆する結果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工光合成の開発は高純度の二酸化炭素を原料ガスとして使用することを前提として進められてきたが,二酸化炭素は通常排ガスをはじめ空気など常に低濃度の混合ガスとして存在しており,高純度ガスを得るための精製過程には莫大なエネルギーが必要となる.本研究では,二酸化炭素の分離・濃縮と還元反応とを多孔性配位高分子のミクロ孔中で一度に行うことにより,このような精製過程を必要とせずに混合ガスのまま反応に供することができるということを明らかにした点で,空気を直接利用する天然光合成に一歩近づく成果であり,精製コストの削減などの観点からも大きな意義を持つ.
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