研究課題/領域番号 |
20K05690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2021-2022) 東京理科大学 (2020) |
研究代表者 |
久保田 圭 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (50709756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | フッ化物 / 正極材料 / 電池材料 / カリウムイオン電池 / 二次電池 / 機能性セラミックス材料 / 固体イオニクス材料 / リン酸フッ化物 / カリウムポリ酸フッ化物 / 電池と電気化学材料 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、蓄電デバイスの技術革新が求められている。資源が無尽蔵な“カリウム”を利用した“カリウムイオン二次電池”は、供給リスクの伴うリチウムの代替となる“元素戦略電池”として期待できる。本研究では、フッ素の高い電気陰性を利用して、フッ素と酸素を複合した遷移金属-ポリアニオンを骨格構造とする“高エネルギー密度”ポリアニオン系正極材料を創製する。合成した新奇材料の構造および電子状態と電気化学特性との関係を明らかにし、カリウムイオンの脱挿入および電気化学特性に最適な材料設計指針を確立する。
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研究成果の概要 |
高性能なカリウムイオン電池用正極材料の創製を目指して、フッ素の高い電気陰性を利用した“高エネルギー密度”な高フッ素含有ポリアニオン系正極材料の創製を目指し、材料探索を行った。その結果、F/K比が0.87のK3V2Ox(PO4)2F3-x、F/K比が1の鉄系フッ化リン酸カリウム、そしてF/K比が2およびF/K比が2.8のカリウムバナジウムフッ化物といった高フッ素量材料を合成し、高フッ素量材料の方が高電位でカリウム二次電池が作動することを明らかにした。一方で、カリウム電池特性はF/K比が2のカリウムバナジウムフッ化物が最も優れており、可逆的なカリウム脱挿入による充放電反応を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カリウムイオン電池はリチウムイオン電池に匹敵もしくは凌駕する高電圧二次電池として期待され2015年頃から注目され始めた極めて新しい蓄電池であるが、その研究開発のほとんどは世界でも負極材料に関するものばかりであり、正極材料の研究開発が遅れている。 本研究によって、高F/K比なフッ素を多量に含有する高電圧作動正極材料を見出したことで、カリウムイオン電池の正極材料の開発がより加速すると期待される。更に、カリウムイオンを脱挿入可能なフッ化物の発見は、固体イニオニクスの研究として学術的にも意義がある。
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