研究課題/領域番号 |
20K05692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
西尾 和之 東京工科大学, 工学部, 教授 (00315756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 電池 / 一次電池 / 水系電池 / 貴金属酸化物 / 金酸化物 / 放電特性 / アノード酸化 / 酸化金 / 多孔質皮膜 / 高性能 / 起電力 / 理論容量 |
研究開始時の研究の概要 |
金は化学的安定性が高く,金の酸化物を得る事は困難とされてきた.代表者は,金を陽極として電気化学的に反応させることで,金の酸化物が容易に得られることを見出している.貴金属の酸化物を用いた電池として「酸化銀電池」が実用化されているが,「酸化金電池」は理論的に,起電力と放電電気量の両方で酸化銀よりも優れた性能を示す.本研究課題では,金を陽極酸化して得られる金酸化物を電池の正極としたときの性能を把握し,新規の高性能電池としての利用を目指す.
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研究成果の概要 |
はじめに金酸化物の生成量の再現性に優れた実験手法を検討した.その結果,金板を使用し,鏡面研磨後に電気化学的な酸化・還元サイクルを適切な電位で繰り返し,これを2電極の定電流でアノード酸化する方法が優れていた.金酸化物皮膜をカソード還元させた時の電気量が酸化金の生成量に一致するものとみなし,この酸化金の完全放電時間が1時間となる電流密度(0.15 mAcm^-2)で放電測定を行ったところ,0.92 V vs. SHEを維持し,完全放電の直前で急激に電位が低下する挙動が得られた.放電速度を2倍および1/2に変化させても0.92 V vs. SHEの電位が放電完了直前まで維持されることが確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで未報告であった,金酸化物の定電流放電挙動を得ることができた.その時の電位は0.9 V vs. SHEと非常に高く,完全放電直前まで維持することが判明した.現在および今後のエネルギー問題に対処するために,様々な目的に応じた多様な電池の開発が必要であるため,本研究課題で得られた成果は,新しい電池の材料としてエネルギー問題の解決の一石となることが期待される.
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