研究課題
基盤研究(C)
グアニン四重鎖RNA(G4RNA)やタンパク質は、それぞれ凝集してゲル化する性質を有していることがわかっており、細胞内にもこれらの凝集体の存在は示唆されている。しかし、その形成機構や細胞内の機能はわかっていない。そこで、アルギニンーグリシンーグリシンの繰り返し(RGG)領域を含むG4結合タンパク質とG4RNAとのゲル状凝集体の形成機構、さらに細胞内におけるG4RNA凝集体のヒストン修飾の制御機能の解明をする。
近年、グアニン塩基が豊富な核酸が形成する構造であるグアニン四重鎖(G4)は、アルギニンーグリシンーグリシン繰り返し(RGG)配列を多く含むタンパク質と結合して、様々な疾患に関与することが報告されている。しかし、これらのタンパク質のG4認識機構は不明である。そこで本研究では、新規G4結合性タンパク質を見出し、そのG4認識機構の解明を目的とした。その結果、RGG配列を多く含むFibrillarinという新規G4結合性タンパク質を見出した。また、FibrillarinやRGG配列を有するTLS/FUSのG4認識機構を解析して、それぞれのタンパク質のG4結合性の制御機構を明らかにした。
G4は、G4結合タンパク質とともに細胞内で凝集体を形成して、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やFTD(前頭側頭型認知症)の原因となることが知られている。また、ゲノム中のプロモーター中にあるG4にG4結合タンパク質が結合することで、下流の遺伝子発現が制御され、細胞のガン化が制御されている。本研究によりG4結合タンパク質によるG4認識機構が明らかになったので、G4とG4結合タンパク質が関与する疾患の機構解明に役立つ。さらに、これらの知見を元に天然のG4結合タンパク質から様々な新規人工G4DNA結合タンパク質の作成が可能になり、G4関連疾患の薬剤開発につながると期待できる。
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