研究課題/領域番号 |
20K05709
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹田 浩之 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40609393)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | チャネル / 無細胞タンパク質合成 / 膜タンパク質 / 脂質平面膜 / 複合体 / 脂質平面膜電位測定技術 / 無細胞膜タンパク質合成技術 / プロテインアレイ / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
重要な創薬標的であるイオンチャネルは発現や活性評価が困難である。平面膜電位測定はチャネル1分子の活性や機能評価に適した手法であるが、イオンチャネルの調製がボトルネックであった。我々は無細胞膜タンパク質合成技術を用いてイオンチャネルを調製し、平面膜電位測定装置を用いてチャネル活性を簡便に測定することを着想した。本研究は我々が収集・合成した200種類のイオンチャネルセットを活用して無細胞膜電位測定系の高度化を行う。透過イオンや活性化機構がそれぞれ異なるイオンチャネル群に無細胞膜電位測定系が適用可能か確認し、また測定系の最適化を進める。
|
研究成果の概要 |
本研究では、無細胞膜タンパク質合成技術を用いて250種のヒトチャネルタンパク質の合成を試み、238種のチャネルの合成に成功した。その中には200 kDaを超える大きな分子量や複雑な構造を持つチャネルも含まれる。47種の電位依存性カリウムチャネルを脂質平面膜法を用いて解析し、およそ8割が電圧刺激により開口することを示した。さらに、リポソーム上でヘテロチャネル複合体が形成されることも明らかにした。これらの結果は無細胞タンパク質合成技術を用いて多様なチャネルタンパク質を合成し、機能解析や薬剤評価、バイオセンサーの開発に用いることができる可能性を示している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では無細胞膜タンパク質合成技術を利用して、大規模かつ多様なヒトチャネルタンパク質の試験管内合成に成功した。本研究により、ヒトチャネルタンパク質を効率よく、大規模に合成し、その電気生理学的特性を直接評価できる新たな手法が示された。この技術は、新しいチャネルタンパク質の機能解析や薬物評価、さらにはチャネルを利用したバイオセンサーなどの開発に寄与する可能性がある。また本研究では非常に巨大なチャネルやヘテロチャネル複合体も無細胞合成できることを実証した。これにより、これまでは発現や解析が困難であった多種多様なチャネルの機能解析や医療分野における応用可能性が広がった。
|