研究課題/領域番号 |
20K05710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
尾崎 紀昭 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (50468120)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イネ / ケイ酸 / シリカ / セルロースナノファイバー / 長鎖ポリアミン / 有機マトリックス / バイオミネラリゼーション / ポリアミン / 脂質輸送タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
長鎖ポリアミン(LCPA)はシリカを形成する珪藻、海綿、細菌でのみ報告されており、ケイ酸の重合に対して中心的な役割を果たす。一方、ケイ酸集積植物であるイネ科を含む高等植物では未報告である。 本研究ではイネのケイ酸体から発見したLCPA様分子を同定し、ケイ酸重合活性との関連を明らかにする。また、ケイ酸体内部に含まれている脂質輸送タンパク質(LTP)とLCPAの相互作用解析、免疫組織化学的手法による両基質の局在解析を行い、高等植物では初となるシリカ形成の分子機構解明を目指す。
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研究成果の概要 |
イネは葉身や籾殻などに非結晶シリカを主成分とするケイ酸体を形成し、様々な環境ストレスから植物体を防御する。しかし、ケイ酸を重合してシリカを形成する分子機構は高等植物では不明のままであった。本研究はイネ葉身からケイ酸体を単離し、シリカに含まれる有機マトリックスがセルロースナノファイバーと長鎖ポリアミンと想定される有機分子が協同することで、シリカナノ粒子形成に関与するモデルを導き出した。しかし、本研究期間中に候補分子を長鎖ポリアミンと同定するには至らず、現在も解析を継続中である。長鎖ポリアミンはシリカ形成を行う珪藻、海綿、細菌で発見されているが、現在も植物界では発見されていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物がケイ酸を重合し、シリカを作るバイオミネラリゼーションの分子メカニズムは珪藻、海綿、細菌で既に解明されているが、植物では未解明のままであった。本研究の成果により、イネのケイ酸体にはセルロースナノファイバー(CNF)とタンパク質、長鎖ポリアミン様分子が存在することが明らかとなった。研究期間中にポリアミンを同定することはできなかったが、バイオミネラリゼーションという視点で捉えると例えば甲殻類(ザリガニ)の石灰化に見られる不溶性有機マトリックスであるキチンファイバーと可溶性有機マトリックス(タンパク質、ペプチド)が協同して非晶質炭酸カルシウムを形成する仕組みと類似していることが明らかになった。
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