研究課題/領域番号 |
20K05711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
清水 佳隆 東海大学, 工学部, 准教授 (30398755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リポソーム / セレブロシド / 消化管吸収 / パイエル板 / 中枢抑制 / グルコシルセラミド / 経口投与 / 中枢神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
現代人は多様なストレスを抱え、その抑制は社会の大きな関心事である。ストレスの抑制に繋がる機能性素材として、グルコシルセラミドの中枢抑制作用が実験的に有効であることが示されている。しかし、これを利用するには投与方法の検討や作用機序等を解明する必要がある。本研究はグルコシルセラミドから調製したリポソームが経口投与によって中枢抑制作用を示すことを明らかにし、その作用機序を解明することで、「抗ストレス作用」を持つ経口投与型リポソームを実現させることを目的としている。
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研究実績の概要 |
食餌性セレブロシド(グルコシルセラミド)には様々な有用な生理的作用が確認されており、その吸収機構や作用機序についても検討されてはいるが、セレブロシドの消化分解物が小腸上皮から吸収されることを前提に検討されている。また、セレブロシドは消化管での吸収率が悪いことが知られており、難水溶性であるためハンドリングが悪く適用範囲が限られることから広範な利用に結び付いていない。本研究ではセレブロシドを水分散可能なリポソームとして扱うことで、吸収量の増大と利用範囲の拡大を図り、新たな機能性を持ったリポソーム製剤の開発を目指した。本研究では、蛍光標識したセレブロシドリポソームをマウスに経口投与し、小腸パイエル板におけるリポソームの取込を解析すると共に取り込みに関わる細胞群を免疫組織染色およびFACSで解析した。リポソームがインタクトな粒子として組織内に存在し、その取り込み細胞はF4/80+のマクロファージ細胞であること、パイエル板でリポソームを取り込んだマクロファージ細胞は組織内から経時的に減少し、これに伴い腸間膜リンパ節等にも移行していることを明らかとした。さらに、リポソームの細胞取り込み機構を解明するため、各種培養細胞を用いて解析を行った。細胞への取り込み量はリポソーム脂質膜材料であるセレブロシドの濃度依存的に増大し、グルコーストランスポーター(GLUT)阻害剤の処理で減少することから、リポソームの取り込みにはGLUTが関与していることを明らかとした。本研究の結果、経口投与されたセレブロシドリポソームはパイエル板からマクロファージに取り込まれ、消化管以外の組織にも分布し、生理的機能に影響を与えうることを明らかとした。さらに、セレブロシドリポソームの細胞取り込み機構の一端を明らかとし、細胞内送達用キャリアーとしても大きな可能性を持っていることを示した。
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