研究課題/領域番号 |
20K05715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
的場 康幸 安田女子大学, 薬学部, 准教授 (90363051)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | チロシナーゼ / 銅イオン / 反応機構 / 成熟化 / X線結晶構造解析 / 金属シャペロン / 銅 / 阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、チロシナーゼ(Ty)の活性中心近傍に形成される水分子を含む水素結合ネットワークを改変することで、酵素活性がどのように変化するかを調査する。また、細胞内においてTyの活性中心には、酵素活性に必要な銅イオンではなく亜鉛イオンが結合しているという最近の知見に基づき、亜鉛イオンのTyへの結合様式を明らかにするとともに、亜鉛イオンから銅イオンへ置換される機構を原子レベルで明らかにする。また、Tyの酵素活性を種々の段階で抑制・促進する化合物を、化合物ライブラリーから探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では、放線菌由来チロシナーゼ (Ty) とその金属シャペロンであるキャディー (Cad) からなる複合体を用い、Tyの反応機構と成熟化機構を解明することを目的としている。Tyがフェノラーゼ活性を発揮するためには、基質が基質結合部位に存在するシールドモチーフを遊離させる必要があること、および、活性中心付近の水分子の塩基性が高い必要性があることが判明した。また、Ty・Cad複合体を用い、亜鉛イオン存在下で銅イオンが取り込まれる機構について調査したところ、CadのTyr98残基が酸化されることが、効率的な銅イオンの取り込みに重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、Tyの基質結合部位を覆うシールドモチーフが存在しているとき、カテコール基質に比べ、フェノール基質の方が相対的に結合しにくくなることが示された。このことは、カテコール基質の基質結合部位への侵入によってシールドモチーフが遊離することが、Tyのフェノラーゼ活性のために重要であることを示唆する。同様に、銅イオンが取り込まれるTyの成熟化過程においても、成熟化後にシールドモチーフが遊離することが、効率的な銅イオンの取り込みに重要であることが示された。これらの知見は、様々な過程で働くTy阻害剤を開発するために役立つと考えられる。
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