研究課題/領域番号 |
20K05719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
冨田 辰之介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60415718)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / エピゲノム / エピジェネティクス / HepG2 / エピジェネティック / 生物時計 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの肝臓のモデル細胞として汎用されるHepG2は、薬物代謝酵素の発現が低いなど「肝臓らしさ」の多くを失った細胞であり、生物時計のリズムもほとんど観測する事は出来ない。この細胞が時計遺伝子のリズムを失った原因の一つはエピジェネティックな制御という作業仮説の下、エピジェネティックな修飾を制御することでリズム回復の条件を探る。体内時計は様々な遺伝子の発現を制御する転写因子であり、リズムが正常に戻ることで、正常な肝臓細胞に遺伝子の発現レベルでどれだけ近づける事が出来るかを検討する。
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研究成果の概要 |
HepG2細胞の時計遺伝子の発現リズム回復メカニズムについて、azaC処理の影響を検討した。DNAマイクロアレイとqPCRを用いて、時計遺伝子の発現変化を調べたが、処理期間に依存した有意な発現変化は見られなかった。また、Bmal1とPer2のプロモータ領域のメチル化解析でも有意な変化は見られず、メチル化による直接の影響は示唆されなかった。一方、リズム調節に関与すると報告があるDNA topoisomeraseは有意な発現上昇が認められ、重要な役割が示唆された。今後は、HepG2でのazaC処理による時計遺伝子リズム回復のメカニズムについてさらなる解析を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体内時計のリズムを示さないHepG2の細胞においても、DNAメチル化解除試薬である5-azaCを長期間低濃度で曝露することにより、リズムの発現が回復することが分かった。このことは、元来HepG2に備わっていたリズム発振機構が、培養方法を工夫することによって、発現することを示した結果である。時計遺伝子のリズムは様々な遺伝子の発現を調節しており、これまで言われていたHepG2の肝臓らしい機能の欠損をリズムの回復を通じて、回復できるかの検討を進める糸口となる成果である。
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