研究課題/領域番号 |
20K05727
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真鍋 良幸 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (00632093)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 糖鎖 / シアル酸 / 免疫 / 糖鎖合成 / 糖鎖編集 / 複合化 / シグレック / 合成生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞表面では無数の構造のシアリル糖鎖が不均一に存在し,cis(同一細胞上)およびtrans(細胞外)でSiglecと相互作用し,免疫を制御する.本研究では,合成糖鎖をプローブとして用いたボトムアップアプローチにより,シアル酸の形成する生体分子社会の解明を目指す.まず,i) シアリル糖鎖をライブラリ合成し,ii) Siglecによるシアリル糖鎖認識を分子レベルで解析する.さらに,合成糖鎖の細胞表面への提示システムを用い,iii) 生細胞系でSiglecとのcis,transの相互作用を厳密に評価する.加えて,vi) 糖鎖の不均一性(グリコフォーム)を再構成した系での解析も実施する.
|
研究成果の概要 |
本研究では,合成糖鎖をプローブとして用いたボトムアップアプローチにより,シアル酸含有糖鎖が免疫を制御するメカニズムに迫った.まず,シアリル糖鎖をライブラリ合成し, Siglecをはじめとしたシアル酸認識レクチンによるシアリル糖鎖認識を分子レベルで解析した.さらに,合成糖鎖の細胞表面への提示するシステムを開発し,糖鎖とレクチンの相互作用を生細胞系において厳密に解析した.本研究を通して,シアリル糖鎖の合成の基盤を築いた.さらに,シアル酸の認識の分子基盤の一端を明らかにした.加えて,細胞表層糖鎖の機能を解明する革新的な手法を開拓し,新規の糖鎖を用いた免疫制御法を開拓した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特徴は,合成糖鎖を用いて,分子レベルでの糖鎖認識の解析,細胞膜上での機能解析を実施した点である.糖鎖機能の解析は,糖鎖生合成酵素のノックアウトなどの分子生物学的手法を中心に進められてきた.これらの研究と合成糖鎖を用いた化学的なアプローチをとる本研究は相補的で,分子レベルでの糖鎖機能解析が進み,糖質科学の発展に大きく貢献した.また,Siglecは免疫応答に関わることから,自己免疫疾患やアレルギーといった疾病,免疫療法の開発などと関連が深い.そのため,シアリル糖鎖とSiglecの相互作用解明は,創薬への展開も期待でき,波及効果も大きい.
|